『野呂邦暢ミステリ集成』 野呂邦暢 著 (中公文庫・1100円)

西日本新聞 くらし面

 生涯、長崎県諫早市で執筆を続けた著者の推理小説と関連エッセーをまとめた作品集。カメラマンの死の謎を残されたフィルムから解く「失踪者」、夢に見たことが現実になる男が最後に見た夢を描く「まさゆめ」など、芥川賞作家の“意外な”一面を見せる中短編が並ぶ。ただ『諫早菖蒲日記』『落城記』で見せたストーリーテラーとしての天賦の才が発揮されているので、意外といっては失礼か。推理小説をめぐるアンケートの回答も掲載されているが、松本清張、石沢英太郎と郷土の作家を推しているのは興味深い。

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