「ショッピングモールがない」きっかけは中学生の一言…奮起した住民

西日本新聞 大分・日田玖珠版 鬼塚 淳乃介

 大分県日田市前津江町に、住民グループが地元産品を販売する「憩いの杜(もり)『やませみ』」がオープンした。きっかけは「近くにショッピングモールがない」という地元中学生の切ない一言。都会的なショッピングモールとはいかないが、住民グループは「自分たちの思いを少しずつ形にして、町内外の多くの人が集う憩いの場を目指したい」と張り切っている。

 旧前津江村が日田市と合併して15年を迎える前津江町のまちづくりを考える「まえつえセミナー」が1月に開かれた。地元住民が懇談する中で、中学生から「ショッピングモールがない」との声が上がった。

 前津江町の人口は、合併前の2005年には約1400人だったが、今年は約900人まで減少。日用品が並ぶ商店はあっても、いろいろな物がそろうスーパーはない。セミナー終了後、中学生の気持ちを理解した5人が食事も忘れて数時間話し合い、開店を決意したという。

 かつて食品加工所として使われ、その前は食堂「憩(いこい)」としても住民に親しまれた空き店舗を借り、有志9人で改装して準備。店名は町内に生息するヤマセミから取り、グループ名も「やませみ」とした。

 10月31日の開店日には、手作りの工芸品や地元産野菜、町内事業者が作るゆずこしょうや鶏飯の素などが並んだ。食事コーナーには、地元野菜をふんだんに使ったカレーもメニューに加えた。目玉は、数年前まで町内グループが生産し、住民らに愛されたかりんとう。「やませみ」がレシピを教わり復刻させた。

 会代表の中島健治さん(72)は多くの住民でにぎわう店内に目をやりながら「開店は出発点に過ぎない。これからは人と人とのつながりを大切に、輪を大きくしていきたい」と話した。

 営業は金、土曜日を中心に週3日、午前10時~午後4時。(鬼塚淳乃介)

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