タイ王宮前で警察がデモに放水 国王宛ての手紙届ける直前

西日本新聞 国際面 川合 秀紀

 【バンコク川合秀紀】タイ・バンコクで8日夜、学生らが王室改革を求めるワチラロンコン国王宛ての手紙を届けるデモ行進があり、警察が王宮目前で行進を阻止しようとデモ隊に放水した。放水による強制排除は10月16日以来。現場の警官隊は放水を「ミス」と陳謝したが、その後の記者会見で「衝突回避に必要な措置だった」と強調。学生たちの反発は必至だ。

 繁華街であった10月の放水排除は国内外の批判を受け、さらに多くの若者をデモに向かわせた。その後、プラユット首相は「放水によって良い社会を目指すつもりはない」などと演説し、バンコク対象の非常事態宣言を解除。扇動容疑などで逮捕したデモ隊リーダーらを保釈し、国王もメディアに「タイは妥協の国だ」と答えるなど沈静化を図る動きが続いたが、再び不透明感が増す形となった。

 8日のデモは警察発表で約7千人が参加。旧市街地にある民主記念塔前に集合後、約1・5キロ離れた王宮への行進を開始。参加者が思い思いに国王宛てに書いた手紙を郵便ポストを模した箱に集め王宮府に届ける計画だったが、約150メートル手前に警察が路線バスや鉄条網を配置して行進を阻止。午後7時前、放水が始まると参加者たちの怒号や悲鳴に包まれた。地元メディアによるとこの混乱で数人が軽傷を負った。

 警察は手紙の入った模擬ポストを回収したが、後の対応は不明。デモに参加した大学2年オーグさん(21)は「王室廃止ではなく民主主義の下にある王室に改革すべきだと書いた。王党派のデモには放水しないのに、私たちだけ狙うのはフェアじゃない」と話した。

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