「核兵器廃絶の先頭に」九州の関係者、バイデン氏の手腕注視

 米大統領選で勝利を確実にしたジョー・バイデン氏は、かつてオバマ政権が掲げた「核なき世界」の継承を誓う。被爆地や在日米軍基地。日米に横たわる問題に深く関わる九州・沖縄の関係者は、高い関心を持ってバイデン流の手法を見ている。

 原爆投下にちなんで9日、長崎市の平和祈念像前では被爆者団体が核兵器廃絶を訴える恒例の座り込みを実施。原水爆禁止日本国民会議の川野浩一議長(80)は「バイデン氏は核なき世界を目指したオバマ前大統領の流れをくみ、必ず核兵器の廃絶の先頭に立つ」。そう強く希望した。

 バイデン氏は今年8月6日に出した声明で、「広島、長崎の恐怖を二度と繰り返さないため、核兵器のない世界に近づけるよう取り組む」と宣言した。長崎県被爆者手帳友の会の朝長万左男会長(77)は「世界のために喜ばしい。(核軍縮へ)どういうステップを踏むか注目したい」。田上富久長崎市長も、来年2月に期限を迎える米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の期限延長、オバマ氏に続く被爆地訪問に期待し、「原子雲の下で何が起こったのかを自身の目で見て、耳で聴いて、心で感じていただきたい」とコメントした。

 米国内の政権移行は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に影響するのか-。前名護市長の稲嶺進さん(75)=同市=は「副大統領時代の決断を覆すとも思えない」と冷静だ。

 稲嶺さんが市長だった2010年、オバマ政権下の米国と日本政府は地元の反対にもかかわらず、「辺野古移設」を明記する共同宣言を発表したためだ。だが一方で、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の大幅増を求める強気のトランプ氏よりは「交渉しやすいのではないか」と言い、「日本側がいかに主体的に臨むかが重要だ」と指摘した。

 北朝鮮による日本人拉致問題は、その強気のトランプ政権も解決できなかった。それでも拉致被害者の市川修一さん=失踪当時(23)=の兄、健一さん(75)=鹿児島県鹿屋市=は「解決には米国の力が欠かせない。バイデンさんは家族会や支援団体が積み重ねた活動を分かってくれるはず」と望みをつないだ。 (西田昌矢、坪井映里香、片岡寛、高田佳典、井崎圭)

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