「米国癒やす時」勝利宣言のバイデン氏、コロナなど4分野優先課題に

西日本新聞 一面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領は7日(日本時間8日)、勝利宣言し「分断ではなく融和を目指す大統領になると誓う」と強調した。バイデン氏の政権移行チームは8日、新型コロナウイルス対策と経済回復、人種問題、気候変動の4分野が次期政権の優先課題だと発表。9日にはコロナ対策チームのメンバーを公表した。共和党のトランプ大統領は敗北を認めず「選挙は終わっていない」と主張。混乱収束は見通せない。

 選挙結果の確定を受け、バイデン氏は来年1月20日に史上最高齢の78歳で第46代大統領に就任する。副大統領には女性、黒人、アジア系として初となるハリス上院議員が就く。

 当選確実の報道を受け、東部デラウェア州で演説したバイデン氏は「国民は明白な勝利をもたらした」と勝利を宣言した。その上で全米の総得票数がバイデン氏7500万票、トランプ氏7100万票と共に過去最多を上回って支持が二分された結果を踏まえ、結束の必要性を繰り返し強調。「(対立の)熱を冷まし、互いの主張に耳を傾けよう。今こそ米国を癒やす時だ」と呼び掛けた。

 国際協調を軽視したトランプ政権下で孤立した米国を「世界で再び尊敬されるようにする」と強調。新政権の陣容については、強力な支持を得た黒人層を含め、多様な人材の起用を重視するとした。

 バイデン氏に先立ち、ハリス氏も演説。「私は最初の女性副大統領かもしれないが、最後ではない。少女たちは皆、この国が可能性に満ちていると知ったからだ」と述べた。

 一方、現職の敗北となれば1992年の共和党ブッシュ(父)氏以来となるトランプ氏は7日の声明で、バイデン氏について「どの州の勝者としても認定されていない」と主張。8日にはツイッターで「いつからメディアが次期大統領を決めるようになったのか」と不満を示した。9日には激戦となった東部ペンシルベニア州で集計の違法性を問う訴訟を起こす方針で、当選者の確定に時間がかかる可能性もある。

 ただ、郵便投票の不正を主張するトランプ陣営の訴えには明確な証拠が乏しいとされ、司法判断で選挙結果が覆る可能性は低いとの見方が大勢だ。トランプ氏寄りの保守系メディアには、最終的に敗北を受け入れるべきだとの意見もある。

 米メディアによると、バイデン氏は前回大統領選でトランプ氏が勝利した東部ペンシルベニアなど激戦州を奪還するなど、勝利に必要な選挙人(計538人)獲得数が279人となり過半数に達した。トランプ氏は214人。一部の州では勝敗が決していない。

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