糖度増して美味本番 福岡・朝倉の富有柿

西日本新聞 夕刊

 果物作りに合う水はけの良い土と、山々の伏流水に恵まれた地で栽培が始まって100年余。全国有数の甘柿生産量を誇る福岡県朝倉地域の富有柿が、出荷の最盛期を迎えた。昼夜の寒暖差が大きくなって糖度が増すこれからが、まさに美味の本番である。

 秋の夕日のようにつやつやと光る大きな実。よく見ると表面には白い膜が。農薬と勘違いする人もいるが、これは健康に育った柿に見られるブルーム(果粉)。新鮮さの証しにほかならない。

 ビタミンCがミカンの2倍で、食物繊維やカリウムなども豊富。サラダや白あえ、肉料理と一緒にソテーするなど食材の一つに使えるのも魅力だ。「免疫力を高めたいこれからの季節にぴったり。おやつはもちろん、二日酔いにもいいんですよ」。JA筑前あさくら柿部会長の関屋純男さん(61)が胸を張る。

 九州北部豪雨災害から3年が過ぎた。一歩山の中に入ると、今なお残る爪痕が痛々しい。でも関屋さんは「われわれ農家は、現状を受け入れ、ただ前に進むだけ」。

 持ち帰った柿をむき、子どもと一緒にサクッとかじる。甘い果汁が口いっぱいに広がった。染み渡るような濃い味わいが、作り手の確かな思いを伝えてくれた。

 (フリー記者・入江香都子)

 ▼朝倉の富有柿 福岡県朝倉地域の直売所などで販売。JA筑前あさくら中央選果場も2400円(税込み、5キロ、約20個)で発送(送料は九州内10キロ1000円から)。選果場=0946(23)8340(午前10時~午後4時)。日曜休み。

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