解散・総選挙見据え?巨額要求 自民、3次補正予算へ前のめり

西日本新聞 総合面 河合 仁志

 菅義偉首相が編成を指示した2020年度第3次補正予算案を巡り、与党の鼻息が荒い。巨額の財政出動を促す発言が相次ぎ、防災・減災目的の国土強靱(きょうじん)化に5年で15兆円規模の投入を目指す方針も打ち出した。残り任期が1年を切った衆院議員の解散・総選挙を見据え、実績としてアピールしたい本音があらわになっている。

 11日、自民党の下村博文政調会長は新型コロナウイルス感染症の拡大防止策をはじめ、3次補正に計上を求める事業を27日に取りまとめたいと表明。首相が掲げる50年までの脱炭素社会実現に向けた方策も盛り込まれるとの見方を示し、規模感は自身が以前に言及した10兆~15兆円を「上回らざるを得ないかもしれない」と踏みこんだ。

 世耕弘成参院幹事長も10日に「30兆円規模が必要」、公明党の竹内譲政調会長も「15兆~20兆円が最低ラインだ」などと呼応。与党内には、雇用調整助成金の特例措置や観光支援事業「Go To トラベル」の延長など支持層の間で評判の良い対策を継続し、「額もうまく見せることが大事」(衆院若手)との空気が濃い。

 新型コロナに直結せず、前政権下の1次、2次補正では計上が見送られた国土強靱化関連も3次補正の柱の一つ。「公共事業は雇用対策として手っ取り早いから」と首相周辺。旗振り役の二階俊博幹事長は11日に官邸で首相と面会し、10日に党の推進本部で決めたばかりの緊急決議案を手渡す演出をしてみせた。

 支出圧力は強まるばかりだが、財源は赤字国債の追加発行しかない。「打ち出の小づちはない。将来に禍根を残す」(自民ベテラン)といった財政規律重視派の声は風前のともしびだ。

 (河合仁志)

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