移動オービスでの摘発、福岡が最多 生活道路での速度超過にご用心

西日本新聞 社会面 山口 新太郎

 通学路など地域住民が利用する生活道路での事故を防ごうと、福岡県警は移動式の速度違反取り締まり装置(オービス)の活用を進めている。2018年11月に初めて2台を導入し、取り締まりが難しかった幅員の狭い道路で効果を発揮。19年には、この装置での年間摘発件数が全国トップとなった。今年10月からは新たに2台を追加配備し、生活道路でのドライバーの速度抑制にもつながっている。

 11日午後、北九州市小倉北区の中島小前の市道に、大人の背丈ほどの移動式オービスが置かれた。道路幅は約5メートルで、縁石で区分けされた歩道は片側だけ。幹線道路を避ける「抜け道」にもなっている。この道路や周辺の制限速度は30キロだが、中島小によると朝の登校時には通勤などで交通量が増え、事故を心配する声があるという。

 移動式オービスは、幅員が狭い制限速度30キロの道路のうち交通量が多く、スピードが出やすい場所を抽出し、住民の要望も踏まえて設置しているという。レーザーで車の速度を測定し、制限速度を超えた車のナンバーや運転手の顔をカメラで撮影。違反者には後日、通知する仕組みだ。

 重さ約15キロと持ち運びが容易で、県警は設置場所をほぼ毎日変え、ツイッターで事前に告知する。

 従来型の固定式オービスが設置されているのは幹線道路のみ。生活道路は違反車両を誘導する場所の確保や渋滞の問題、追尾中の事故の懸念から、警察官や白バイなどによる取り締まりも困難だったという。

 国土交通省によると、交通事故全体の数は06年以降は減少傾向にあるものの、幅員5・5メートル未満の道路では減少幅が小さかった。対策のため埼玉、岐阜両県警が15年度に初めて移動式オービスを導入し、全国に広がった。

 福岡県警は、19年春から専従班をつくって運用を本格化。19年は移動式オービスで全国最多となる1566件を摘発した。今年は10月末現在で、既に2007件に達している。

 県警によると、移動式オービスを設置した124カ所で車の速度を調査したところ、設置後は平均で5・9キロ低下したという。生活道路での事故をみると、今年は10月末現在で1088件。前年同期比で約3割減少した。県警交通指導課は「きめ細かに生活道路での取り締まりを実施し、事故防止につなげたい」としている。

(山口新太郎)

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