「是非に及ばず」は本能寺で討たれた織田信長の最期の言葉と伝わる…

西日本新聞 オピニオン面

 「是非に及ばず」は本能寺で討たれた織田信長の最期の言葉と伝わる。用意周到な明智光秀の謀反ならば仕方ない、という諦めの気持ちとされる。一方、善しあしを論じず最後まで戦え、と部下に命じたものという解釈も

▼この人の場合は後者。敗北宣言など「是非に及ばず」と頑張っているトランプ米大統領である。大統領選の開票作業で「考えられないほどの不正があった」との一方的な主張を、いまだに続けている

▼勝利を確実にしたバイデン前副大統領は政権移行に向けて動きだした。新型コロナ対策など、待ったなしの課題が内外に山積しているからだ。だが、トランプ氏が負けを認めないため、連邦政府の協力を得られないという

▼驚くことに、トランプ氏は突然、意に従わないエスパー国防長官を解任した。米大統領の交代期は安全保障に隙ができやすい。なのに要の国防長官を交代させるとは。世界に不穏の種をまく失態だ。是非を論じるまでもない

▼トランプ氏が敵視する社会主義を主導したレーニンは言った。「最も危険なことは、敗北よりもむしろ自分の敗北を認めるのを恐れることであり、その敗北から何も学ばないことである」

▼革命家が嫌なら同じ共和党の先輩に倣っては。2008年の大統領選でオバマ氏に敗れたマケイン氏の言葉だ。「米国が直面する課題をオバマ氏が先導して乗り越えられるよう、全力で協力することを誓う」

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