インフルエンザワクチン足りる? 医師会「遅くとも12月中に接種を」

西日本新聞 一面 斉藤 幸奈 下崎 千加

 新型コロナウイルスとの同時流行を警戒し、季節性インフルエンザの予防接種に例年以上の希望者が殺到したため、ワクチンが品薄になっている医療機関がある。「あなたの特命取材班」には、接種を断られたという読者から「足りていないのでは?」と疑問の声が相次いで寄せられた。実際はどうなのか。

 「かかりつけ医に『いつ入荷するか分からない』と言われ、接種したのは2週間後の10月23日」(福岡県太宰府市の81歳男性)

 「(高齢者の優先期間が終わった)10月26日から10以上の医療機関に電話で断られ、11月6日に打てた。妊婦は市の助成対象なのに…」(北九州市の妊娠9カ月の32歳女性)

 ワクチンは国が毎シーズンの製造量を決める。今季は昨季より約1割多い約6300万人分で、全国民の半数分に当たる。医療機関には9月下旬~12月、メーカーから医薬品卸会社を介して届く。今年は高齢者の自己負担を無料にするなど各自治体が助成を拡充しており、例年受けない人が接種するケースもある。

 実際に足りていないのか11月上旬に医師に取材した。福岡市中央区の病院長は「なんとかぎりぎり持っている」。北九州市小倉南区の開業医は「当初は発注した3分の1の300人分しか入荷せず、千人近く待っていた。ただ最近も入荷が続いており、少しずつ打てている」と話す。

 福岡市の担当課は「市民からの問い合わせの電話は例年並みの件数で、差し迫った状況とは見ていない」と説明。北九州市によると、10月26日から1週間ほどは電話が相次いだ。「内科系以外も含め幅広く電話をかけ、小まめに確認してほしい」と理解を求める。

 品薄の背景には卸会社の調整もあるようだ。福岡に営業所を置くある社によると、今年は各医療機関から多めの発注や前倒し納品の要望が多いという。ただ例年、シーズン終盤に未使用で返品されることが少なくない。担当者は「供給が偏り本当に必要な人が受けられない事態にならないよう、原則昨年と同規模の量をメーカーの製造予定に従って卸している」と話す。

 インフルエンザは例年、12月ごろから流行入りし、1~2月にピークを迎える。今年はマスク着用や手洗いが徹底され、流行は低い水準で推移。全国約5千の定点医療機関からの報告では、10月26日~11月1日の患者数は32人。4682人だった昨年同期の100分の1以下となっている。

 福岡市医師会は近く、会員にワクチンの充足状況を尋ねた調査をまとめる。平田泰彦会長は「今は在庫がなくても、しばらくすると接種できる医療機関もある。特に保育所などで集団生活をしている子どもは接種効果が高い。遅くとも12月中には打ってほしい」と呼び掛ける。

 (斉藤幸奈、下崎千加)

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