浪川会本部事務所を使用禁止に 福岡地裁が仮処分、代理訴訟で九州初

西日本新聞 社会面

 福岡県暴力追放運動推進センターなどは12日、指定暴力団浪川会(同県大牟田市)の本部事務所について、福岡地裁が使用禁止の仮処分決定を出し、組員の立ち入りが禁止されたと発表した。4日付。地域住民が暴力団対策法に基づく「代理訴訟制度」を活用し、センターが仮処分を申し立てていた。指定暴力団の本部事務所が同制度で使用禁止になるのは九州では初めて。全国3例目。

 センターや県警によると、本部事務所は同市上官町2丁目にある3階建て。日常的に組員が出入りし、会合も開かれていた。住民から委託されたセンターが、平穏な生活が害されているとして10月7日に申し立てた。浪川会側が仮処分に応じない場合は、正式な訴訟に移る。

 決定では看板や監視カメラを設置することも禁止する。裁判所の執行官が12日、禁止事項を記した命令書を本部事務所に掲示した。

 代理訴訟制度では、国家公安委員会が認定した「適格団体」が住民の委託を受けて訴訟などを起こせる。委託した住民の氏名などは暴力団側に伝えられない。

 浪川会は、前身の九州誠道会の時から指定暴力団道仁会と抗争を繰り返してきた。抗争の激化に伴い2011年4月に本部事務所の使用が制限されたが、14年6月に解除されていた。

 センターは「住民とともに本部事務所の撤去を目指したい」としている。

 福岡県では今年2月、特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)の本部事務所が撤去された。

近くに小学校、警官ら見守り

 指定暴力団浪川会の本部事務所は、交通量が多い交差点近くにある。約500メートル先にある大牟田中央小の通学路にも面し、周辺には住宅も立ち並ぶ。

 交差点には12日夕、大牟田署の警察官らが立ち、下校する児童を見守った。同校の関係者は「(仮処分決定に反発して)何を起こすか分からない。保護者も心配している」と不安げに話した。今後、見守り態勢を強化する方針という。

 本部事務所周辺では2011年に手りゅう弾が爆発するなど、暴力団が関係する事件が相次いだ。近くに住む70代の主婦も「事務所があるとやっぱり怖い」と言葉少なに話していた。

 大牟田市の関好孝市長は「仮処分決定は、暴力団排除に向けた取り組みに弾みをつけるもので、市としても全面的な支援を行う」とするコメントを発表。市や署などは21日午後2時から、大牟田文化会館で、事務所撤去に向けた緊急集会を開く。

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