ハンセン病の差別語る 家族訴訟原告団長の林力さんが収録

西日本新聞 ふくおか都市圏版 四宮 淳平

 ハンセン病家族訴訟原告団長の林力さん(96)=福岡市=による講演の収録が福岡大であった。元教師でもある林さんが、教職課程を学ぶ学生らに向けて自らの体験などを披歴。17日、学生を対象に配信される。

 講演は、同大の入江誠剛教授(教育学)が受け持つ人権教育の一環で、10月27日に実施。入江さんが「これまでにあった差別の現実を、体験者の声から伝えたい」と招いた。新型コロナウイルス感染防止のため、聴講者がいない状態で収録を行った。

 林さんの父親は、患者を強制隔離する「無らい県運動」が行われていた1937年、国立ハンセン病療養所「星塚敬愛園」(鹿児島県鹿屋市)に入った。自宅には白い防疫服の一団が押し寄せ、真っ白になるまで消毒剤をまかれた。学校ではあからさまな中傷を受けた。

 父は手紙に「父のことは隠し通せ」と書いて送ってきた。林さんは「言わずもがなのこと」だと思ったという。父のことによる失恋も経験した。

 小学校の教師になった林さん。自由に授業を組み立てることができ、楽しかったという。一方で「教師は勧善懲悪に流される」と警告。子どもたちが育ってきた環境に十分に目を向ける必要性を訴えた。

 講演後には取材に「教師が子どもを評価する過程で、差別になる事実があることを認識しなければならない。よかれと思って言った教師の一言が、その子の人生を閉ざすこともある」と話した。

(四宮淳平)

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