「窓を開けてと言われても…

西日本新聞 オピニオン面

 「窓を開けてと言われても、そう簡単な話じゃないんですよ、こっちは…」。先日、ある会合で席を隣り合わせた北海道新聞の記者がこう漏らした。確かにそうだろう

▼北国の人々にとって大敵は寒気。そこに今年はもう一つの大敵、新型コロナウイルスが居座り、換気が奨励されている。けれども、下手に窓を開ければ室温が急低下し、体調を崩しかねない。故に悩ましいという

▼列島は秋の火災予防運動(9~15日)のさなか。その期間を今年は特別に延長してはどうか。換気に伴って暖房器具を使う頻度や時間は例年より増えそう。であれば火の用心も念入りに喚起せねば

▼感染を恐れて外食を控え、自宅で調理する人が増えた。その分、台所から出火する火災が増えた地域もある。感染による嗅覚障害も心配だ。焦げ臭い煙のにおいに気付くのが遅れればどうなるか…

▼煙といえば、こちらも気掛かりだ。大統領選の結果がすっきりせず、国民の間で対立や分断の火種がくすぶる米国。まずはトランプ氏がバイデン氏の勝利を受け入れ、自らの敗北を認めることが先決なのだが

▼日本の防火運動は1911年に米国が設けた「火災予防デー」に倣って昭和初期から徐々に広がり、全国規模の運動に発展した。東京消防庁の消防雑学事典にはそう紹介されている。混迷が続く今の米国とはどう向き合い、何を学んでいくべきか。そこにも、もやもや感が漂う。

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