無精子症の夫、離婚は「おまえが決めて」 主治医の言葉にすがり…

西日本新聞

復刻連載・私たちも、産みたい~夫が不妊の場合<1>

 ドアを開けると生協の勧誘員が立っていた。

-結婚されてるんでしょ。

 「ええ」。まただ。

-もう長いんですか?

 「7年です」。来た。

-お弁当にいかが?

 「いえ…、子どもはいませんので…」。やっぱり。

 こんなやりとりを何度繰り返しただろう。38歳。昼間に家にいるから、子育て中と思われるのか。窓の外には同じ団地の「ママ友」の輪。同じ幼稚園らしい。あいさつぐらいしかしない。共通の話題がないから。

 親戚からは、最近やっと「何でつくらんと?」と言われなくなってきた。いや、私たち夫婦が接触を避け、盆正月に実家に顔を出していないだけだ。大勢集まれば突っ込まれる。悪気がないのは分かっているが「不妊治療をしている」と応じれば、理由を聞かれる。

 それだけは言えない。

 またイライラしてきた。排卵誘発剤の影響でずっと体がだるい。今日も夫は帰りが遅い。どうして私だけがこんなに頑張らないといけないの。元はと言えば、夫に原因があるのに…。 

PR

九州ニュース アクセスランキング

PR

注目のテーマ