スポーツ観戦に広がるキャッシュレス「ウィズコロナ」の標準に

西日本新聞 経済面 山本 諒

 スポーツ観戦の場でキャッシュレス化が広がっている。プロ野球福岡ソフトバンクホークスの本拠地ペイペイドームでは、10月から客席で売店のメニューを事前注文できるサービスを開始。Jリーグを開催するスタジアムでも完全キャッシュレス化や無人レジの導入が進む。現金の受け渡しを必要とせず、会計を待つ混雑の緩和にもつながるため、「ウィズコロナ」時代の標準になりそうだ。

 ペイペイドームで始まったのは、スマートフォン決済アプリ「ペイペイ」を使った事前注文サービス「ピックアップ」だ。来場客は、ドーム内で配布される専用の2次元バーコードをスマホなどで読み取り、自席からフライドポテトなどを注文できる。調理完了の知らせを受けたら、列に並ばずに専用カウンターで商品を受け取れる。決済もアプリ内で完結する。

 まずはドーム内の売店「ホークスカフェ」3店に導入し、ほかの店舗にも順次展開する予定という。ホークスカフェの中村泰造支配人は「長い待ち時間を気にする必要がないため、注文数も増えるのではないか」と期待する。

 競技場内の「現金決済なし」に取り組むのは、サッカーJ2のV・ファーレン長崎だ。本拠地「トランスコスモススタジアム長崎」(長崎県諫早市)では、9月末から物販や飲食店で決済する際に、クレジットカードや交通系ICカード、スマートフォン決済だけを対象とした。

 Jリーグでは2例目。V・ファーレンを傘下に持つジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)は、24年に開業を目指す長崎市の新スタジアムもキャッシュレス化する予定で、今から使い方に慣れてもらうことで利便性を浸透させたい考えという。

 J1の大分トリニータは本拠地「昭和電工ドーム大分」(大分市)売店に人工知能(AI)を搭載した無人レジ2台を実証導入した。利用者が無人レジに商品を置くと、形状を識別し、支払金額を計算。QRコードなどで決済する仕組みだ。対面による接客がないため、感染予防にも効果的という。

 今シーズンは実証導入だが、台数を増やすせばスタッフの作業効率化にもつなげられる。大分トリニータの担当者は「購買履歴やスタジアム内でのお金の使い方まで分析できるようにして、お客様にサービスとして還元できるのが理想的だ」と展望を話す。 (山本諒)

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