「春は笑う、夏は滴る。秋は…

西日本新聞 社会面 阪口 由美

 「春は笑う、夏は滴る。秋は粧(よそお)う、冬は眠る。これ、なーんだ」。テントを担いで向かった大分・くじゅう連山。坊ガツルを見晴らす場所で女性グループが楽しげに話していた。一人が「それ、私?」と言うと、皆さん大爆笑。

 答えは山。山笑う、山滴る、と「山」を付ければ俳句の季語になる。今年の粧う山々はことさら目に染みた。先着のテントも既に色とりどり。「ようやく来られて、今日は『山弾む』って感じね」。こちらの足まで弾んでしまう。

 一方で「山痛む」場所も。7月豪雨で法華院温泉山荘そばには大規模な土砂崩れの跡。山荘のご主人だろうか、一人パワーショベルに乗り込み、テント場を整地していた。

 登山道には既に岩の崩落を止めるくいが打ち込まれ、新しい目印の旗やテープも。山を楽しめるのは、山を守る人々の努力あってこそ。それを支えるすべは…と思い巡らす夜、幾度も鹿の鳴き声が響き渡った。 (阪口由美)

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