佐賀のご当地ヒーロー「ヤマシロン」人気の秘密は?

西日本新聞 佐賀版 北島 剛

 LPガス事業を展開する山代ガス(佐賀市)のご当地ヒーロー「ヤマシロン」が人気を集めている。ヒーローショーなどで徐々に地元に浸透し、今年4~6月にテレビ放送された特撮番組「ドゲンジャーズ」に出演して一気に全国区になった。人気の秘密を探った。

 ヤマシロンは山代ガス営業部ヒーロー課に所属。直属上司の課長を兼ねる同社の大岩英樹総務部長に誕生の経緯を聞いた。

 「ヤマシロンの任務はLPガス事業の普及啓発です。オール電化などエネルギーの多様化が進む中、LPガスを子どもの頃から知っておいてもらおうと2017年に誕生しました」

 佐賀市の神風プロダクションがプロデュースを担当。ヒーロー課の「レッドロン」「アオイロン」「ダイダイロン」の3人が稟議(りんぎ)申請から社長承認を経て合体し、ヤマシロンになるという設定だ。「テンションは全開、ガスの元栓は全閉なのだ!」を合言葉に、ガス工事などに使うパイプレンチを武器に戦う。

 県内外のヒーローショーのほか、幼稚園での食育教室にも参加。新型コロナウイルスの影響で現在は休止中だが、再開を求める声が出るほど好評という。

 知名度をさらに高めたのがドゲンジャーズ出演だ。福岡のご当地ヒーローが続々と登場する中、ヤマシロンも「福岡にも山代ガスの事業所がある」と参加。九州朝日放送のローカル放送だけでなく、インターネットでも配信されたことで人気が沸騰。営業マンらしい丁寧な言葉遣いや愛嬌(あいきょう)のあるしぐさが受け、公式ツイッターのフォロワーは約1万6千人と、放送前の2倍になった。

 撮影で傷んだドゲンジャーズのヒーローたちのスーツを修復するため、夏にクラウドファンディング(CF)で寄付を募ると、500万円の目標額に対し、3800万円超が集まった。

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 ファンとの交流も欠かせない。10月18日、山代ガス本社に1台の大型バスが到着。CFに出資した返礼品の「ロケ地巡礼ツアー」に参加する約20人が降りてきた。そこにヤマシロンが両手を振りながら登場。ぺこりとお辞儀をすると「かわいい」と歓声が上がった。

 ヤマシロンは営業車やガスボンベの前で写真撮影に応じた後、社内にある「ヤマシロンの部屋」へ。グッズやファンからのプレゼントが並び、参加者と2人きりで記念写真に納まった。

 どこに魅力を感じるのか。素朴な疑問を参加者にぶつけてみた。東京都大田区の40代女性は「コメディーではなく、ちゃんとしたヒーロー。きょうはいっぱいグッズを買って帰ります」。夫と参加した福岡県大野城市の30代女性は「お辞儀や料理のしぐさがかわいい」と語る。ヤマシロングッズのシャツを着た福岡市東区の40代女性は「ヤマシロンさんはファンの心に寄り添う優しいヒーロー。鈍器で戦う姿もかっこいい」とメロメロだ。

 グッズ販売は九州外からの注文が6割に上り、山代ガスの大岩部長は「ファンは子どもよりも20~30代の女性が多い」と明かす。ツイッターでは、かわいらしいイラストやつぶやきを意識しているという。本業のガス事業で契約件数が急増したわけではないが、「ヤマシロンが山代ガスにつながってくれるとうれしいですね」と大岩部長。ドゲンジャーズは第2弾の制作も決定しており、ヤマシロン人気は、まだまだ広がりそうだ。

 (北島剛)

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