社民分裂、立民と合流容認 福島党首のみ残留

 社民党は14日、東京都内で臨時党大会を開き、党を存続させたまま、個別の離党と立憲民主党への合流を容認する議案を賛成過半数で可決した。所属国会議員4人のうち福島瑞穂党首を除く3人は離党するとみられ、事実上の分裂が決定的となった。合流組も残留組も今後の道は険しく、老舗政党は大きな節目を迎えた。

 「合流して活路を見いだそう」「公党が離党を容認するという議案自体がおかしい」

 立民への合流も社民への残留も「いずれも理解し合う」とする今回の議案。党大会では賛否の意見が真っ二つに割れ、怒号が飛び交う場面も。反対派からは吉田忠智幹事長の解任動議まで出される事態となった。

 採決は挙手方式で行われ、参加した代議員167人のうち賛成は84。推進派の党関係者は「あと1人欠ければ否決されていた。本当にぎりぎりだった」と胸をなで下ろした。

 分裂劇の背景には、深刻な党勢低迷がある。北朝鮮による拉致問題への対応などが批判され、2003年衆院選で解散前の3分の1となる6議席に大敗。12年衆院選では2議席に落ち込んだ。現在は衆参4人と政党要件の「5人」に満たないが、19年参院選でもう一つの要件「得票率2%」を満たし、22年までかろうじて政党を維持している状況だ。ある議員は「次の選挙で2%なんて無理。国政政党でいられなくなる危機の中、立民からの合流呼び掛けが助け舟となった」と話す。

 しかし、前身の社会党時代から数えて75年の歴史ある党に深い愛着を持つ党員は少なくない。党幹部は「高齢の党員ほど『死ぬまで社民党』という人は多い。双方の思いを尊重するためにも、この議案を今決めるしかなかった」と話す。

 昨年12月に合流を呼びかけた立民側には「全部でも一部でも合流効果は変わらない」とする見方が広がる。自治労など社民を支援してきた労働組合はほとんどが合流組を後押ししており、大分県や東北など基盤の強い地域の地方組織が合流する見通しだからだ。立民幹部は「社民の魅力は地方の組織力。9月の国民民主党との合流よりも効果は大きい」と語る。

 吉田氏や吉川元・副党首は態度を明確にしていないが立民に合流するとみられ、照屋寛徳衆院議員も離党する見通し。福島氏は社民に残るが、どちらも、いばらの道が待ち受ける。

 合流推進派は「立民の中で社会民主主義を広げる」として、合流後も独自に運動を展開する政治団体の設立を計画するが、立民は既に憲法論議の指針など基本政策の策定作業を進めている。「合流する人は立民の政策を理解した上で来るということだ」。立民幹部は、政党同士の合流でなくなったことで、政策を新たにすり合わせる必要は無くなったと言い切る。

 残る社民も、政党交付金は来年以降、激減する見通しだ。九州の関係者は「支援組織がどこまで残ってくれるか。事務所の維持も厳しくなるかもしれない」と不安がる。福島氏は党大会後の会見で「女性や若者が主役になれる新しい社民党をつくりたい」と述べ、党の再建に意欲を示したが、具体策は描けていない。 (川口安子)

PR

政治 アクセスランキング

PR

注目のテーマ