日本酒輸出に期待、九州の産地 日中など15カ国の経済連携

西日本新聞 一面 岩尾 款

 日本、中国、韓国や東南アジア諸国連合(ASEAN)が参加するRCEP合意では、日本政府が国内生産を守りたいコメや麦が関税撤廃品目から除外された。一方、輸出が増えている清酒(日本酒)については、中国が日本に課す関税を段階的に下げ、21年目には撤廃となる。九州の産地は歓迎している。

 国の貿易統計などによると、日本から輸出される酒類のうち清酒は約4割を占める。輸出額は年々伸び、2019年は約234億円だった。中でも、中国への輸出は急伸し、香港を抜いて2位だ。1位は米国。

 福岡県大刀洗町の酒蔵「みいの寿」は中国・上海へ輸出している。専務の井上宰継(ただつぐ)さん(50)は「新型コロナウイルスで国内消費は打撃を受けたが、中国は既に回復し、売れ行きはいい。さらに明るい話だ」と受け止める。関税の影響もあり、中国では日本の3倍以上の価格で売られているという。関税引き下げに伴い価格が下がれば、さらに消費増が期待できる。

 経済成長著しいアジア圏への農林水産物輸出拡大は政府が掲げる「輸出額5兆円」の目標達成に欠かせない。ただ、中国本土向けは現地当局の意向に左右されるなどハードルは高いという。九州農産物通商(福岡市)の田篭恭一社長は「関税撤廃はスタートライン。実情を踏まえた政治の強力なバックアップが必要だ」と話した。

 (岩尾款)

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