「血が出てるし、もうやめていいよ」琴奨菊、3歳長男の言葉も決断後押し

西日本スポーツ 社会面 手島 基

 「最後まで自分を信じてやれた」-。日本相撲協会は15日、元大関で西十両3枚目の琴奨菊関(36)=本名次(きく  つぎ)一弘、福岡県柳川市出身、佐渡ケ嶽部屋=の現役引退と年寄「秀ノ山」襲名を発表した。琴奨菊関はオンラインの記者会見で、引退を決断した経緯や思い出、部屋付きの親方となる心構えなどを述べた。引退相撲の日程は未定。

 2002年初場所の初土俵から19年間の力士人生。「やるべきことは全てやった。追究してきたのは長く取ることではなく、自分の相撲。取りたい相撲が取れないと感じたので(引退を)決めた。できることは全て土俵に置いてきた」と振り返った。

 思い出の一番を問われると涙を浮かべ「厳しく胸を出してくれた兄弟子、師匠、ライバル…。全てが思い出の一番」。大きな存在で発奮材料だった元横綱稀勢の里関(荒磯親方)や中学時代から競った元関脇豊ノ島関(井筒親方)への思いも口にした。熱い応援を送り続けた故郷の柳川には「苦しい時期に笑顔で支えてくれた」と感謝した。

 十両から再起を目指した今場所は左ふくらはぎの状態が悪化。5日目の黒星後に師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)に引退の考えを伝えたが、四股を踏んで結論は持ち越した。「朝起きたら体が言うことを聞かず、国技館への車中から勝っても負けても最後にしたいと師匠に伝えた」と厳しい闘いの舞台裏を打ち明けた。親方として相撲追究は続く。「ぶつかった壁の先を知らずに苦しむ子が多い。勇気を与え、その先を見せられるように指導していきたい」と決意を示した。

 最後の一番となった6日目は妻子を両国国技館に呼んだ。一緒に入った風呂で鼻血を流した時、「血が出ているし、もうやめていいよ」と引退の決断を後押ししたのが相撲好きな3歳の長男弘人ちゃんだった。来年2月には第2子が誕生予定。公私ともに新たなスタートとなる。 (手島基)

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