え?忍者は手裏剣を使ってなかった? 研究者が語る「ホントの忍者」

西日本新聞 筑豊版 長 美咲

 実在した忍者は、手裏剣を使っていなかった-。忍者研究の第一人者、山田雄司・三重大教授の講演「今語るホントの忍者」が15日、福岡県飯塚市の芝居小屋「嘉穂劇場」であり、アニメや漫画などの作品で描かれている姿とは違う、史料研究から浮かび上がった忍者の姿について話した。

 山田氏は1999年に三重大に赴任。地域貢献の一環として地元にゆかりがある忍者の研究を始めた。サブカルチャーの題材になることの多い忍者は海外でも関心が高く、国内外で講演活動を行っている。

 講演はまず忍者の仕事を紹介。現代の作品では戦闘シーンが多いが、地形や相手の戦力などの情報を収集するのが任務で、「戦うのは武士で、忍者はなるべく戦いが大きくならないように情報を集めることを大事にしていた」と指摘した。

 「黒装束を着て、手裏剣を武器に戦っていた」というイメージが強いが、「史料では見つからない」と説明した。こうした描かれ方は江戸時代の歌舞伎の中で登場したという記述が史料にあるとして「黒装束は観客に『忍者が登場した』と分かりやすく見せるため、一種のユニホームとなったのだろう」と分析した。

 女性の忍者「くノ一」については、「忍者は武士の一部。武士の女性がいなかったため、女性の忍者も実在しなかった」と存在自体を否定した。映画などで登場するのは戦後以降といい、「男女平等の社会となり女性の忍者が生まれた」と推察した。

 現代で広がっている忍者のイメージとのギャップに、講演を聞いた親子連れからは「えっ」「そうなんだ」といった驚きの声が上がっていた。

 嘉穂劇場では同日、毎年恒例の「嘉穂忍者劇場」があり、手裏剣打ちの体験や九州各地で活動する「福岡忍衆」(篠栗町)の忍者ショーなども行われた。

 (長美咲)

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