多久市が空き家解体を開始 県内初の略式代執行

西日本新聞 佐賀版 野村 有希

 佐賀県多久市北多久町小侍の所有者不明の空き家について市は16日、倒壊の恐れがあるとして空き家対策特別措置法に基づく「略式代執行」で解体を始めた。略式代執行での空き家撤去は県内初。市内には炭鉱が操業していた1950年代の建築とみられる家屋が空き家で残っており、管理が課題になっている。

 解体を始めたのは2戸が入居する長屋で、床面積は計約50平方メートル。築60年以上とみられ、柱や壁の一部が崩れている。市は2013年に近隣住民から相談を受けて調査を開始。1戸は所有者を特定できなかったため、市が費用を負担する略式代執行で取り壊す。費用は60万5千円。

 もう1戸は熊本市に住む男性(72)らが相続人で、略式代執行に合わせて解体することを決めた。男性は1950~60年ごろ、両親と妹2人の家族5人で暮らしていたという。「たくさんの炭鉱労働者が付近に住んでいた」と振り返る。

 市内には倒壊などの恐れがある特定空き家がほかに17戸あり、東多久町や北多久町に多いという。市は費用の5分の4を補助する制度を設け、撤去を呼び掛けている。それでも所有者が見つからなかったり、相続人が多くて話がまとまらなかったりして、撤去まで時間がかかることも多い。

 市の担当者は「最近は台風や大雨が多く、空き家の倒壊リスクも高まっている。周辺の住民に大変迷惑なので、所有者は適切に管理してほしい」と話している。

 (野村有希)

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