「自宅の天文台に登りたい」病越え、最新機器で改装 飯塚の元教員

西日本新聞 筑豊版 坂本 公司

 福岡県飯塚市川津の元小学教員の辻塚隆さん(59)が自宅に設けている天文台の改装を終え、希望する子どもや家族連れらを受け入れての天体観測を近く再開させる。病に倒れた体を奮い起こしたのは「また天文台へのはしごを登りたい」という思い。改装で最新機器を導入し、これまで難しかった天体の写真の撮影も可能になった。「宇宙を入り口に、科学に興味を持つ少年少女を増やせたらうれしい」と話す。

 辻塚さんは小学5年生の時から天体に興味を持ち始め、自分の天文台を持つのは「究極の目標、夢」だった。飯塚市の小学校で教員をしていた1999年、一念発起して自宅の敷地内にドーム形の天文台を建設。筑豊地区には科学館など本格的な天体観測ができる場がないため「天体と触れあえる場を自分がつくる」という思いも込めた。

 だがちょうどその頃、仕事のストレスが積み重なり、うつ病を発症。休職を経て2011年に教員を退職した。その後は不動産経営で生計を立てているが、昨年4月に脳梗塞で救急搬送され、3カ月間入院した。

 天文台ははしごで登った2階にあり、当初は後遺症でたどり着けなくなる心配もよぎった。だが宇宙への思いと、教員時代に指導した児童がリハビリで少しずつ歩けるようになるまでをつぶさに見守った経験から「自分も頑張らないと」と、積極的にリハビリに取り組んだ。順調に回復し、以前のように登れるようになった天文台で、今度は最新の技術を導入しての改装に取り組んできた。

 現在は、約60万円かけて導入した最新鋭機器を自在に動かせるように習熟に努めている。コンピューター制御で狙った星を撮影できる「自動導入装置」を採り入れており、天体愛好家の憧れの的である「月の前を横切る国際宇宙ステーション(ISS)」を捉えることも可能という。

 辻塚さんは新しくなった望遠鏡の前で「何事も諦めず、生涯を通して学び続けることを若い世代に示したい」と誓っている。自身が管理する「筑豊天文同好会」のホームページに連絡先を掲載し、天文台について問い合わせを受け付けている。 (坂本公司)

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