大韓がアシアナ買収「世界15位」へ 航空業界、大型再編の先駆けに

西日本新聞 国際面 池田 郷

 【ソウル池田郷】韓国航空業界首位の大韓航空は16日、同2位のアシアナ航空の買収を理事会で決議したと発表した。航空会社の規模を示す国際的な指標である「旅客キロ」(旅客数と飛行距離の掛け算)は両社合計で世界15位となり、日本首位のANAホールディングスを上回る。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う旅客数減で、世界中の航空会社が業績低迷に苦しむ中、大型再編の先駆けとなる可能性がある。

 大韓航空を保有する韓進グループの趙源泰(チョウォンテ)会長は16日、航空産業の持続的成長のための決定だと強調した。韓国メディアによると、両社の国内線シェアは系列の格安航空会社(LCC)を含めて62・5%。重複路線の整理や、操縦士教育の一元化などで収益改善を目指す。

 今後、国内シェアを巡る公正取引委員会の審査が焦点となるが、韓国ではアジア通貨危機の際、自動車業界トップの現代自動車による同2位の起亜自動車の買収を特例的に承認した事例がある。

 政府系の韓国産業銀行はこの日、韓進グループ側に8千億ウォン(約754億円)規模を投資すると発表。大韓航空がアシアナ航空株を1兆8千億ウォンで取得し、最大株主となる。さらに同行は、アシアナ航空系列のエアソウルとエアプサン、大韓航空系列のジンエアーの3社統合により国内LCC市場の再編も図る。

 国際航空運送協会(IATA)によると、19年の旅客キロは大韓航空が世界28位、アシアナ航空が42位。統合により22位のANAや33位の日本航空を上回ることになる。

 アシアナ航空を傘下に持つ中堅財閥の錦湖アシアナグループは経営難のため、昨年4月に売却を決定。建設大手などが買収に乗り出したが、新型コロナの影響で同航空の負債が急増したため今年9月に頓挫。同行が新たな売却先を探していた。

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