忘年会は「少」「短」「専」で 感染リスク減らして

西日本新聞 一面 吉田 真紀

 新型コロナウイルスの感染リスクが高まる場面の一つが「飲酒を伴う懇親会」。感染急拡大を受け、飲食は「4人以下で」という声も上がる中、飲食店にとっては稼ぎ時の忘年会シーズンが近づく。もし忘年会をするならば、どんな注意が必要なのか。専門家は、少人数で会話も控えめにする「少」、はしご酒など長時間化を避ける「短」、店側には個人用の取り箸や料理を用意する「専」などを推奨。「リスクを極力減らす楽しみ方を」と呼び掛けている。

 「平熱より少し熱があるなど、調子が悪い人は参加を控えることが最も大事」。九州大病院グローバル感染症センターの下野信行センター長は強調する。ただ、参加者の中に無症状者がいる可能性もある。大人数で長時間の滞在は感染リスクを高めるため「5、6人以下の少人数、約2時間を目安としてほしい」という。

 理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」によるシミュレーションは、4人掛けのテーブルに2人ずつ向き合って座る形を想定。相手に顔を向けてしゃべった場合、最も飛沫(ひまつ)を浴びなかったのは「斜め向かい」で、「正面」はその4倍。「横」に座った人は距離が近いため「斜め向かい」の20倍の飛沫を浴びる計算となった。

 席は斜め向かいを優先するか、隣の場合は最低1メートル空けるなどし、「乾杯」の音頭は自粛か小声で。大声の会話を避け、スピーチなど会話中心の場面ではマスク着用を心掛けたい。

 客を迎える店側も細かな対策が必要だ。福岡県内の飲食店に感染防止対策を指導するアドバイザーの田中衛さん(62)は「客が回し飲みや箸を共用しないのはもちろん、共用が一般的だったトングや取り箸も個人専用にしてほしい」。飲み放題では、客自らが焼酎のお湯割りなどを作る場面もあるが、マドラーの共用は避けた方がよく、店員が作るのが望ましいという。もつ鍋専門店「楽天地」(福岡市)は、グループに1本出していた鍋のお玉を1人1本に変更。500本を買い足して対応している。

 大皿料理をテーブルの中央に置いていると、飛沫を浴びるリスクも高まる。居酒屋「博多ほてい屋」(同市博多区)では客が希望した場合、コース料理8品を大皿で出さず、1人ずつ小皿に盛って提供。約4割の客が希望するという。2階席貸し切りのグループ客には、専属スタッフ1人が配膳を行うなど接触も極力減らしている。

 下野センター長は「全国で感染者が増えている中で忘年会を開くのは、リスクが高くなるので難しい問題だ。少人数だと絶対安全というわけでもないが、客と店の双方が『空気中のウイルス』対策を意識した行動を取ってほしい」としている。

(吉田真紀)

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