酒場、コスプレ…中国各地に「日本街」続々 若者に人気、一部で批判も

西日本新聞 国際面 坂本 信博

 【江蘇省蘇州市・坂本信博】中国各地に、日本の繁華街や商店街を再現した「日本街」が次々と誕生している。新型コロナウイルス禍で海外旅行が難しいこともあり、若者や家族連れでにぎわう。中国で流行する日本の女子高校生風の制服姿や着物、浴衣で訪れ、会員制交流サイト(SNS)に画像を投稿する人が増える一方、インターネット上では「日本にこびるな」との批判も出ている。

 やきとり大吉、筑前、次郎餃子酒場、肉バル、北海道ラーメン…。上海に近い江蘇省蘇州市の「淮海街」では、約600メートルの通りを挟んで日本語の看板の店がずらりと軒を連ねる。街の随所に飾られた赤いちょうちんも日本の風情を醸す。

 関係者によると、日本人学校に近く、複数の日本料理店が集まる地域を地元政府主導で今春から再整備。9月下旬に日本街が完成したという。

 四川省成都から観光に来ていた女性会社員(28)は「SNSで有名なので見に来た。コロナのせいで日本にはまだ行けそうにないけど、いずれ本物を見たい」と話し、街並みをスマートフォンで撮影していた。

 香港に近い広東省仏山市には8月、東京・新宿の歌舞伎町を模した路地や、日本語の標識、日本の人気アニメにちなんだ看板、オブジェが並ぶ「一番街」がオープン。SNSで話題を集め、運営会社が「著作権上の問題がある」との指摘を受けて一部の看板を撤去する事態も起きた。

 遼寧省大連市でも、日本との経済連携を強化する「中日(大連)地方都市発展協力モデル区」内に「京都風情街」の建設が進む。

 大連日報によると、約60万平方メートルの敷地内に、京都・清水寺の参道と中国唐代の街並みを織り交ぜた商業街を整備する計画。来年6月の開業を目指して145棟の主要部分が既に完成し、日系企業約40社が進出を決めている。今年9月のプレイベントには6日間で約10万人が訪れたという。

 日本街の相次ぐ誕生について、企業関係者は「日本ファンを呼び込むだけでなく、SNS投稿用の撮影スポットとして集客する狙いもある」と語る。

 ネット上では「日本に侵略された歴史を忘れたか」「外国のまねをせず、地元の文化を大事にしろ」といった批判が一部から上がり“炎上”も起きている。ただ、ネット通販で買った着物姿で蘇州の淮海街を訪れていた20代女性は「私は中国も日本も好き。お互いの文化を尊重するべきで、批判は悲しい」と話した。

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