先週取り上げた「京都人気質」の続き…

西日本新聞 オピニオン面

 先週取り上げた「京都人気質」の続き。国際日本文化研究センターの井上章一所長にこんな話を伺った

安倍晋三前政権が打ち出した「地方創生」。中央官庁や企業の地方移転を重点に掲げた。文化庁の京都移転が決まり、政府は地方創生の実績と強調するが、井上氏は「ちょっと違いますな。京都府や市の看板や文書をよく見てください」

▼明治期に首都が東京に移るまで日本の都だった京都。今も日本文化の中心という自負がある。文化庁が来るのは大歓迎だが、そこは誇り高い京都人のこと。事業名を見ると「地方創生」ではなく「地域創生」となっている

▼京都人は「地方」と呼ばれることに抵抗感があるようだ。「関東」という言葉は古代から使われ、都を守る関所より東の“未開の地”を意味した。一方、「関西」が広まったのは明治以降という。根っからの京都人は「関西」より、都とその周辺を表す“由緒正しい”呼称の「近畿」を好むのだとか

▼「京都の天子様をちょっとの間、東京にお貸ししているだけ」と言い切るつわものも。あまりに強い東京への対抗心に、井上氏は「地域と言い換えてるあんたら、地方公務員やろ」と冗談交じりにチクリ

▼京都は別格としても、全国津々浦々、それぞれに誇るべき文化や歴史がある。国から金をもらい、上から「地方創生」してもらうのではなく、自ら「地域創生」するのだという気概は見習いたい。

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