「末永く触れて」故陶山さん愛用のピアノ地元に寄贈 佐賀・鳥栖市

西日本新聞 佐賀版 杉野 斗志彦

 校歌や社歌など今も歌い継がれる数多くの曲を作った佐賀県鳥栖市の音楽教育家陶山聰(すやまさとし)さん(1907~99)が愛用したピアノが22日、生家に近い市の公共施設「旭まちづくり推進センター」(同市儀徳町)に寄贈される。同日の贈呈式を前に、陶山さんの家族らが調律を終えたばかりのピアノの音色に耳を澄まし、陶山さんの功績に思いをはせた。

 陶山さんは同市幸津町生まれ。家族や、市民有志でつくる「陶山聰顕彰会」によると、県内の小中学校で音楽教師を務める傍ら作曲活動も精力的に行い、同市の鳥栖高など県内外の小中高校の校歌を140曲以上手掛けた。県民体育大会の歌や鳥栖音頭など今も愛される祝い歌や行進曲、企業の社歌などを含めると作曲数は3千曲以上に上る。市民管弦楽団の創設などにも尽力し、県芸術文化功労賞や市民栄誉賞など数々の受賞歴もある。

 寄贈されるのは54年に購入し、鳥栖の風景を描いた代表曲の一つ「とりんすとりんす鳥栖の町」などを生み出したグランドピアノ。生家に保存されていたが、陶山さんの没後はほとんど使われなかったという。

 顕彰会は昨年、「古里が誇る陶山先生の曲やピアノを多くの市民に触れてもらい末永く愛してもらいたい」と、陶山さんが最後に校長を務めた旭中の跡地に建つ同センターへの寄贈を家族に打診、快諾を得た。

 陶山さんの次女で元音楽教師の藤崎美枝子さん(81)は18日、調律を終えたばかりのピアノを奏で「小さい頃から父のピアノの音色を聴いて育ってきた。教員最後の地に寄贈できて父も天国で喜んでいるでしょう」。傍らで聞いた次男の陶山武司さん(76)も「久しぶりに聴いたが、いい音だ」と笑顔を見せた。

 22日は橋本康志市長や地元の関係者らが、ピアノを弾き、合唱して寄贈を祝う予定。顕彰会の志藤利則事務局長は「大きな活動が節目を迎え、ほっとした。ピアノを通じて先生の音楽への思い、人の輪が広がってくれれば」と話した。

 (杉野斗志彦)

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