米軍アフガンなどの駐留削減へ 政権交代前に「駆け込み」撤退

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】米国防総省は17日、アフガニスタンに駐留している米軍の規模を、来年1月15日までに現行の約4500人から2500人に削減すると発表した。イラク駐留米軍も約3千人から2500人に減らす。トランプ大統領は海外への駐留米軍の削減を公約に掲げており、大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領が就任予定の同月20日の直前に実行に移す。

 トランプ氏は大統領選の敗北を認めていないが、敗北が確定した場合は2024年の次期大統領選をにらんで支持層をつなぎ留め、影響力を保持したい考えとの見方が広がる。公約を実現すれば政権の実績として誇示でき、支持者へのアピールになるため削減に踏み切るとみられるが、外交専門家だけでなく与党共和党からも治安悪化などを懸念する声が上がっている。

 一方「終わりなき戦争」と呼ばれ、米史上最長となったアフガン戦争に対する国民の厭戦(えんせん)ムードは強く、トランプ氏の駐留米軍縮小や撤退の主張は、米国内で一定の理解を得ている。バイデン氏が副大統領だったオバマ前政権時代にもアフガンやイラクからの撤退を目指したものの、果たせなかった積年の課題だ。

 バイデン氏が政権に就いた場合、米国が従来のような「世界の警察官」の役割をどこまで担うべきか、議論になる可能性がある。

 アフガンとイラクの駐留米軍について、トランプ氏はかねて撤退を主張してきたが、国防総省などの反対を受けて一部削減の指示にとどめたとみられる。

 ただ、アフガン政府と反政府武装勢力タリバンによる停戦協議の進展は見通せず、現地では戦闘やテロが続いているだけに、米主要メディアは今回の判断について、米軍の駐留が続くとはいえ地域情勢を不安定化させると批判。共和党議員からも「米軍の規模縮小は停戦協議に影響を与える」と危ぶむ声が上がった。

 識者からは、米国と対立するイランが攻勢に出かねないとの指摘がある。一方で、バイデン氏は、トランプ氏が離脱したイラン核合意へ復帰する可能性を示しているので、米軍削減がイラン政府に与える影響は限定的との見方もある。

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