耳納連山土石流から300年「うきは災異史」企画展 福岡・うきは市

 梅雨期にたびたび豪雨に襲われ、多くの被害を出してきた筑後川流域。今年は1720(享保5)年6月に耳納(みのう)連山で起こった大規模な土石流からちょうど300年に当たることから、福岡県うきは市教育委員会は、同市吉井町の吉井歴史民俗資料館で企画展「うきは災異史」を開いている。地元を襲った過去の豪雨災害を振り返り、教訓にしようという試みだ。

 大規模土石流は、梅雨末期に3日間降り続いた豪雨により起こった。同市安富の西見家に伝わる古文書「壊山(くえやま)物語」(1720~36年)によると、四つの村が壊滅的な被害を受け、60人近い村民が亡くなった。民家や田畑は土砂に覆われて遺体も探せなかった。かなりの日数がたって、トビやカラスが集まった場所を探すことで、損傷が激しい遺体を見つけることができたことなどが記されている。

 朝倉市の南琳(なんりん)寺に伝わる古文書「南琳寺縁起」(1721年=その後加筆、修正)にもこの被災状況が記されている。同市の山田、古毛、白木、志波などの地区も甚大な被害を受けたとの記述がある。これらの地区は、2017年の九州豪雨でも被災した。同じ土地が何度も被災することを伝えている。

 同展では、「壊山物語」、「南琳寺縁起」のほか、大規模土石流から復興した記念に1932年、大村地区(うきは市吉井町)の大村天満宮に建てられた高さ約4メートルの「大村復興碑」碑文の現代語訳、実物大の拓本などを展示している。大津諒太(りょうた)学芸員は「記念碑は災害の記憶が風化しないように建てられている。記念碑がある場所は再び被災する可能性があると認識して、普段から備えをしてほしい」と呼びかけている。

 企画展は12月28日まで。来年1月9日から3月末までは、同市浮羽町の浮羽歴史民俗資料館で開かれる。 (渋田祐一)

来月13日に水害遺構巡りツアー

 うきは市教育委員会は12月13日午前10時から、うきは市内にある水害関連遺構を巡るツアーを実施する。大村復興碑や1953年の水害復興工事のため土を削り取られた塚堂古墳(同市吉井町徳丸)などを巡る。無料。定員20人。先着順。申し込みは市生涯学習課文化財保護係=0943(75)3343。

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