「財布を落としたみたいなんです」…

西日本新聞 社会面 佐伯 浩之

 「財布を落としたみたいなんです」。福岡県苅田町の飲食店で8日、アルバイトの中国人留学生が店主に打ち明けた。中には現金9万円が入っていたという。留学生の顔は真っ青。店の近くの交番に届け出に行くと、財布が届いていた。現金のほか、カード類も全て無事だった。

 交番の話で、財布を拾ったのは、ベトナム人の技術研修生だと分かった。「一時はどうなることかと思った」と語る店主。2人はすぐにベトナム人の研修先にお礼に向かったと聞いた。

 9月の台風10号で宮崎県椎葉村では、ベトナム人技能実習生2人が土砂にのみ込まれた。1人は遺体で見つかったが、残る1人と建設会社の親子はいまだ不明。県民らは浄財を村に託すなど支援の輪が広がっている。

 「渡る世間に鬼はなし」。世知辛いニュースが多い中、二つの出来事は感謝と思いやりの心の大切さを教えてくれる。 (佐伯浩之)

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