「100%賛同」「あまりに拙速」ダム巡り対立あらわ 熊本県議会

西日本新聞 熊本版 長田 健吾 綾部 庸介

 7月豪雨で氾濫した球磨川流域の治水対策として、蒲島郁夫知事が川辺川へのダム建設を容認する意向を表明した19日の熊本県議会全員協議会。最大会派の自民党は全面的に支持する一方、野党系会派は「民意をくみ取ったとは言えない」として反発を強めた。相いれない意見に議場のざわつきが収まらぬ中、協議は1時間ほどで幕を閉じた。

 「知事の決断に党として100%賛同し、支えていく」。協議会で最初に発言した前川收氏(自民)はそう力を込めた。前川氏は、蒲島知事が川辺川ダム計画の白紙撤回を表明した当時の党県連幹事長。12年間、収束しなかったダム、非ダムの論争に「終止符を打つべきだ」とし、「1人でも尊い命が救われるのであれば、それを進めるのが政治家の役割」と述べた。

 城下広作氏(公明)も、明確な治水策が打ち出されないためにJRなど、被災地の交通インフラ復旧が進まない点を挙げ、ダム建設容認に理解を示した。

 こうした意見に対して鎌田聡氏(くまもと民主)は「多くの県民は落胆している。あまりにも拙速すぎる判断」と語気を強め、蒲島知事が豪雨から4カ月余りでダム建設へとかじを切ったことを批判。流域全体で被害軽減に取り組む「流域治水」の考え方には賛意を示しつつも、ダム建設にはあくまで反対を主張した。

 山本伸裕氏(共産)は、ダム建設で懸念される環境への負担や緊急放流の危険性などが十分に検証されていないと指摘。蒲島知事が意見聴取を通して被災地の住民からくみ上げたという“民意”にも「(住民の数が)少なすぎて一面的」と批判した。「なぜ今なのか。早期の決断は住民に対立をもたらす」と述べ、流域でダム賛否による溝がさらに深まることを危ぶんだ。

 (長田健吾、綾部庸介)

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