幻の曲、驚きのセンター…未来につなぐ「虹の橋」 HKTなないろ公演

西日本新聞 古川 泰裕

Fの推しごと~2020年11月

 「西日本シティ銀行 HKT48劇場」(福岡市中央区)で6日、「博多なないろ」公演がスタートした。HKTのメンバー48人をくじ引きで七つのグループに分ける、かつてない試み。6、7人の少人数のため一人一人にスポットが当たりやすくなったことに加え、これまで絡みの少なかったメンバーとの化学反応も生まれる。グループの新たな一面を引き出す実験は、「幻の曲」や意外なセンターの人選など、新鮮な感動があふれていた。

 セットリストは各チームの年長メンバーが中心となって決めた。「知名度の高いHKTの曲を1曲入れる」という縛りこそあるが、いずれもメンバーそれぞれが表現したいものを抱きながら描いたステージだ。曲などがダブった場合は、各チーム代表者による話し合いで調整したという。それぞれのグループの初日を追ってみた。

 ★チームレッド

 田中美久をセンターに据え、クールなダンスナンバー「真っ赤なアンブレラ」でスタート。若干、意表を突かれたが、2曲目の「みなさんもご一緒に」では一転、底抜けに明るい雰囲気に。リーダー格の下野由貴が観客をあおる。松岡はなは、トレードマークの笑顔を封印し「隣人は傷つかない」でセンターをはった。AKB48の名曲「走れ!ペンギン」では、5期生・石橋颯が先頭に立ち「センターを目指すんだ!」と歌った。メンバーの特長を生かしながら、グループの未来を感じさせた。

★チームイエロー

 1曲目の最前線に5期生の水上凜巳花を起用。最新シングルのセンターである運上弘菜は、今は韓国で活躍する宮脇咲良の印象が強い「片思いの唐揚げ」の中心に。48グループでも随一の歌声を持つ秋吉優花には「長い光」での歌い出しやソロパートで存分に歌わせるなど、それぞれの特色を生かしていた。

 ★チームパープル

 4期生オリジナル曲の「さくらんぼを結べるか?」で、「ずっとやりたかった」という1期生の本村碧唯がセンターに。こうした機会がなければなかなか見られない組み合わせだ。武田智加センターの「ハート・エレキ」や後藤陽菜乃の「シャムネコ」をはじめ、メンバーの持つ雰囲気とパフォーマンスを鑑みた、ファンが「見たい」と思うような曲が続いた。

 ★チームブルー

 村重杏奈や田島芽瑠ら屈指の「濃さ」を誇る陣容。豊永阿紀が「動物園」と例えるチームには森保まどか、栗原紗英、山下エミリーというHKTきってのビジュアル系3人も名を連ねる。「放り込まれた」と称される、ただ一人の5期生・川平聖の成長と覚醒を楽しみに見守るファンも少なからずいるだろう。

 ★チームグリーン

 松岡菜摘、渕上舞という安定感あるベテランに、市村愛里ら4人の5期生が加わった。上島楓が「ずっとやりたかった」という「必然的恋人」から始まる7曲は、小川紗奈の「大好きな人」などメンバーの持つ雰囲気にあった曲が並ぶ。期の離れた6人の間に立つドラフト2期生・今村麻莉愛がどんな活躍を見せるか。

 ★チームピンク

 1期生の今田美奈が中核をなす。博多の歌姫・坂本愛玲菜の歌声も魅力だが、4期生のトリックスター・松本日向やドラフト3期生の石安伊らMCでの化学反応が楽しみなメンバーも多い。成長著しい伊藤優絵瑠をセンターに据えた「言い訳Maybe」は一見の価値ありだ。

 ★チームオレンジ

 「劇場の女神」上野遥のこだわりが凝縮された圧巻の内容。各曲にメンバーとグループへの思いが込められているが、中でも特筆すべきは6曲目。唯一、HKTの曲で一度もステージで披露したことがない「天文部の事情」。振り付けさえ存在しなかった2ndシングルの収録曲に自らダンスと立ち位置を考案し、初披露にこぎ着けた。「幻の曲」を掘り起こし、古参ファンを感涙させた“粋”な決断。「この機会がなかったらもうできなかったかも」という言葉は重かった。

 2チームで1公演。それぞれのチームの曲目を消化した後は合同でアンコールに応える。新型コロナウイルスの感染状況が悪化したとしても、7人程度ならば、ステージ上の「密」を回避できるという狙いもあるようだ。

 多くの発見と可能性を示した「なないろ公演」。7チームが一通り初日を終え、上野は「虹がかかったね」と表現した。七つのチームがかける虹の橋は、どのような未来に通じているのだろう。新たなホームで、ぜひその歩みを見届けてほしい。 (古川泰裕)

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