インフルエンザワクチンの希望者急増 専門家「12月でも間に合う」

 新型コロナウイルスとの同時流行が懸念される季節性インフルエンザのワクチンが、福岡県の北九州・京築地区の多くの医療機関で不足している。予防接種の希望者が例年よりも多く、医師会には「在庫が足りない」との声が寄せられている。厚生労働省によると、ワクチンは12月上旬までは出荷される予定。専門家は「12月中に接種すれば効果はある」と、冷静な対応を呼び掛けている。

 「例年に比べて2、3割は希望者が増えている印象だ」

 京都医師会(行橋市)の桑原恒治副会長は、こう指摘する。中間市と遠賀郡4町は首長の連名でワクチンの納入業者に医療機関の注文に応じるよう要請した。豊前築上医師会(豊前市)予防接種担当理事で、小児科医院長の前田公史医師も「私の医院では10月末に予防接種の予約がいっぱいになった」と話す。

 北九州市医師会が10月下旬、市内の医療機関を対象に行った聞き取り調査によると、回答した467施設のうち78・2%が「足りない」と回答。医療機関には「なぜ接種できないのか」という苦情も寄せられ、穴井堅能会長は「医療機関で予約し、ワクチン入荷の連絡が来るまで待つしかないのが現状だろう」と話す。

 新型コロナとの同時流行に備え、県や北九州市が高齢者などの自己負担分を助成したことも希望者の増加につながったようだ。同市の担当者は「希望者全員に行き渡っていない。医療機関にこまめに電話し、在庫を確認してほしい」としている。

 北九州市は夏から卸業者に対し、早期のワクチン確保を要請していた。ただ同市内に販売拠点を置く卸業者は「在庫をため込んではいない。希望者が例年より早く接種しているのが一因では」と話す。

 厚労省によると、今季は6640万人分前後のワクチンが製造される見通しで、13日時点で約6240万人分が出荷されたという。

 市立八幡病院(八幡東区)の伊藤重彦院長は「幸いにも今季はインフルエンザの感染者数の伸びが鈍い。12月中の接種でも例年の流行ピークの1~2月には間に合うので、過度に心配しないでほしい」と話している。

(山下航、石黒雅史、浜口妙華、菊地俊哉)

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