独自の感性でコーヒー包む 自閉症作者のデザイン、SNSで広がり商品に

西日本新聞 佐賀版 米村 勇飛

 水性ペンで描くいくつもの丸をテーマに創作活動を続ける自閉症の瀬戸口楓子さん(20)=佐賀市=の作品が、ドリップパックコーヒーのパッケージに採用され、注目を集めている。会員制交流サイト(SNS)での交流をきっかけに、三重県の団体が依頼した。母庸子さん(48)は「作品を通して、いろいろな方との交流が広がればうれしい」と期待する。

 庸子さんによると、楓子さんは人との意思疎通が苦手で、規則性にこだわりが強い。高校1年の時に庸子さんが何げなく「丸を描いてみたら」と言ったところ夢中になったという。

 作品は水性ペンの色合いを生かしたカラフルさが特徴。描き始めると時間を忘れて没頭するという。現在は社会福祉法人「はる」(同市)の作業所に通いながら、同法人が運営する「アトリエ・サンク」で作品づくりを続けている。自身がデザインしたマグカップをネットショップで発売するなど、着実に歩みを進めている。

 コーヒーパッケージ制作のきっかけは、写真投稿サイト「インスタグラム」。楓子さんの投稿作品を見た、一般社団法人「kinari」(三重県いなべ市)の金子文絵代表が、作品に共感し、法人が販売する商品への採用を依頼した。

 同団体は既存の枠組みにとらわれない独特の表現「アールブリュット」の考え方を念頭に活動。これまで、障害者の手掛けるアート作品をさまざまな形で商品化している。

 オンラインでの打ち合わせを経て、描き下ろした3種類の販売がネットなどで9月から始まった。「デザインがかわいい」「やさしい色合いが良い」などの反響がSNS上で投稿されているという。

 庸子さんは「アートは社会とつながるコミュニケーションの一つの方法。SNS上の反応で創作にも張りが出ているようだ」と目を細める。

 コーヒーやマグカップはネット以外でも商業施設「KARAE」(唐津市)で販売。 (米村勇飛)

佐賀県の天気予報

PR

佐賀 アクセスランキング

PR

注目のテーマ