市場急拡大「代替肉」大豆にこだわり世界と勝負 DAIZ(熊本市)

西日本新聞 九州経済面 仲山 美葵

スタートアップ名鑑

 世界的な人口増で肉の供給が追いつかなくなるという危機感などを背景に、植物由来の食材を肉のように加工した「代替肉」の市場が急拡大している。DAIZ(ダイズ、熊本市)は原料の大豆にこだわった代替肉を製造。6月に生産体制を整えたばかりだが、ハンバーガーチェーン「フレッシュネスバーガー」が採用するなど着実に販路を広げている。

 代替肉メーカーの多くが油を搾った後の大豆などを原料にしているのに対し、DAIZは大豆を発芽させ、うま味成分などを肉と同レベルに増やした状態で使う。「大豆そのものの味の差が大きい」。取締役研究開発部長の落合孝次氏(53)は自信を見せる。

 落合氏は長年、発芽について研究してきた。近畿大学農学部を卒業後、食品会社の米国勤務などを経て、2002年に米国で起業。種子を高温や低酸素といった厳しい条件下で発芽させることで代謝を活性化し、さまざまな成分を生成させる研究をベースに、廃棄されたブドウの種でサプリメントの成分をつくる事業などを手掛けた。

 落合氏の会社は資金繰りの悪化で倒産したが、ノウハウが評価され、野菜を生産する果実堂(熊本県益城町)で研究を継続。DAIZは関連会社として15年に設立した。どの大豆をどんな条件で発芽させればどんな成分が生成されるのか-。データを蓄積してきた。

 大豆や発芽の条件を変えることで、牛、豚、鶏など目的の肉の味に近づけることができる。代替肉の市場が盛り上がりを見せる中、発芽大豆を使った代替肉の開発に着手。19年8月、発芽した大豆に熱と圧力をかけて機械で押し出し、肉のような繊維状の食感にすることに成功した。

 「ミラクルミート」と名付けたDAIZの代替肉は、乾燥チップの状態で販売し、水で戻して調理する。味や大きさ、固さが異なる約10種類のチップを用意し、価格は1キロ当たり200~300円。粘り気が少ないため料理によっては工夫が必要で、当面は業務用として販売する。

 大手食品メーカーやスーパーなど国内外から引き合いがある。21年秋には工場を新設し、生産能力を年間1万トンに増やす計画だ。落合氏は大豆以外の豆についてもデータの分析や蓄積を進めており、「素材を丸ごと使う、世界トップクラスの代替肉で勝負したい」と意欲を見せる。 (仲山美葵)

 =随時掲載

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 DAIZ 2015年設立。社長は果実堂創業者の井出剛氏。10月末時点の従業員数は36人。栄養価を高めた「発芽大豆」を販売し、大豆を使った創薬の研究も進めている。

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