「危害及ぶ認識なかった」太宰府女性暴行死 佐賀県警本部長が強調

西日本新聞 社会面 木村 知寛 岩崎 さやか

 福岡県太宰府市で暴行されて死亡した佐賀県基山町の女性=当時(36)=の家族が事件前、佐賀県警鳥栖署に繰り返し相談していた問題を巡り、同県警の杉内由美子本部長は20日の記者会見で「(家族からの)申し出の内容からは、女性に直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められなかった」と述べ、対応に不備はなかったとする見解を示した。県警は10月に調査結果を公表していたが、本部長がこの問題に言及したのは初めて。

 井手栄治刑事部長は、今後の教訓として「危害の及ぶ可能性が認められないとしても、重大な結果が生じることもあり得ると念頭に置き、丁寧な対応をしていく」と述べた。一方で、鳥栖署の対応については「特定の問題点が認められたとは受け止めていない」と強調した。

 家族によると、県警側は今年7月、家族に対し、対応に不備があったことを認め謝罪したという。認識が変化したのかと問われた井手部長は「(謝罪したのは)県警の事実確認の結果と、家族の認識に違いがあったため。『対応に不備があり申し訳ない』という文脈ではない」と説明した。

 家族が当時のやりとりを録音した音声データによると、県警側は「相談の回数が多いとか、恐喝の話が出て事件性が高くなっているんじゃないかというような判断が、報告される中で、できていなかった」「幹部それぞれが報告を受けた時点で、全体を見渡して適切な指示ができていなかった。非常に申し訳ないところがあった」などと述べていた。県警は調査結果をまとめるに当たり、家族への聞き取りをしていないが、井手部長は「これ以上調査を行うとの状況にはない」と話した。

 女性は昨年10月、乗用車内で死亡しているのが見つかった。福岡県警が捜査し、福岡地検は傷害致死罪などで無職山本美幸被告(41)や元暴力団組員田中政樹被告(47)らを起訴。両被告は、女性の夫への恐喝未遂罪でも起訴された。

 家族側は、女性の身の危険や女性の夫が金銭を要求された被害を繰り返し相談したとして「佐賀県警が動いてくれていたら、事件を防げた」と主張している。 (木村知寛、岩崎さやか)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ