今から100年ほど前のお話。医療用品を扱う米国の…

西日本新聞 オピニオン面

 今から100年ほど前のお話。医療用品を扱う米国のジョンソン・エンド・ジョンソン社にアール・E・ディクソンという社員がいた。当時新婚ほやほやで、妻ジョセフィンと幸せに暮らしていたが、彼には一つだけ悩みがあった

▼ジョセフィンは器用ではなく、不慣れな台所仕事でよく切り傷ややけどなどのけがをした。そのたびにアールはガーゼを当て包帯を巻いてあげた。だが、自分が留守のとき、妻は一人で包帯をうまく巻けるだろうか…

▼心配したアールは考えた。医療用のテープに間隔を空けてガーゼを貼り付けておけば、適当な長さに切るだけで簡単に患部に当てることができるのでは、と。このアイデアを会社が商品にしたら大ヒット。後にガーゼ付き絆創膏(ばんそうこう)の代名詞となる「バンドエイド」の誕生である

▼あす11月22日は、語呂合わせで「いい夫婦の日」。ことしは新型コロナによる外出自粛やテレワークで、夫婦が一緒にいる時間が長くなった家庭も多かろう

▼けんかが増えたという声も聞くが、明治安田生命の調査では約2割が「夫婦の仲が良くなった」と回答。「仲が悪くなった」(6%)を大きく上回り、ちょっとほっとした

▼困ったとき、苦しいときに、互いを思いやれるのが「いい夫婦」か。妻をいたわる気持ちが形になった絆創膏は傷をかばうものだ。絆は「きずな」。絆(ほだ)すと読めば「つなぎとめる」という意味になる。

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