にぎわい戻りつつあったのに…GoTo見直し「今は我慢」方針転換に理解も

西日本新聞 上野 洋光 鶴 善行 長松院 ゆりか

 「Go To トラベルの運用見直しで、旅行自粛ムードが福岡や九州に広がりかねない」。湯平温泉観光協会(大分県由布市)の麻生幸次会長は、政府の発表に不安を口にした。

 同温泉は7月の豪雨で被災。「GoTo」の後押しもあり、秋以降は客足が戻り始め、21日からの3連休は営業を再開した17旅館はほぼ予約で満室となっている。「せっかくお客さまが増えてきていたが、感染拡大防止のためにはキャンペーンを一時的に見直すのは仕方ない」と話す。

 「令和ブーム」に沸いた福岡県太宰府市は、今春の観光客数が前年同期比96%減。徐々に回復しつつあったが「第3波」への懸念が広がり、21日には予約をキャンセルされた飲食店もあった。年始には太宰府天満宮に多くの初詣客が訪れる。太宰府観光協会の不老安正会長は「観光客はコロナに敏感。今は国を挙げてコロナ対策が必要だ」と政府の方針転換に理解を示した。

 にぎわいを取り戻しかけていた飲食店は、年末のかき入れ時直前の「Go To イート」運用見直しに動揺が広がる。

 福岡市早良区の飲食店「焼き鳥弐(に)ばん」の店主原秀樹さん(77)は「1週間前にプレミアム付き食事券の利用を始めたばかりだったので驚いた。食事券が利用できるかできないかで(客入りが)結構違う」と戸惑い気味。今後の感染の広がりと福岡県知事の判断に神経をとがらせる。

 福岡市・天神のラーメン店「豊久」では、1週間ほどで約20人の客が食事券を利用。店長の青山晃久さん(44)は「GoTo効果もあり客足は戻りつつあったので使えなくなれば痛いが、感染者が増えて再び緊急事態宣言が出ればもっと痛手になる」と複雑な胸中を明かす。

 もつ鍋専門店「楽天地」(福岡市)の水谷崇社長は「日本の感染症対策は世界で一番的を射ていると思っている。朝令暮改と言われても政府は臨機応変に対応すべきだ」と話した。

(上野洋光、鶴善行、長松院ゆりか)

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