クラスター起きた病院 「無症状」患者への対応遅れ、感染広がる

西日本新聞 医療面 下崎 千加

 新型コロナウイルス感染者が出た場合の院内対応を学ぼうと、福岡県内の112病院の事務職トップでつくる任意団体「福岡県病院事務部長会」(会長=島由親・聖マリア病院業務管理部長)が10月下旬、クラスター(感染者集団)が発生した病院の関係者を招いた勉強会を福岡市で開いた。感染防護策や職員配置、報道機関への対応などについて約50人が聞き入った。

 情報交換や研さんを目的に2016年に有志が立ち上げ、1年ぶり6回目の開催。今春に定例会を開く予定だったが、コロナで延期していた。4~5月に36人の感染者を出した福岡記念病院(福岡市)の上野高史院長と、27人のクラスターが起きた北九州総合病院(北九州市)の山中直子看護師長がそれぞれの取り組みを紹介した。

 上野院長によると、電話回線のパンクや、意図と異なる報道、職員が電話やメールの対応に追われるなど想定外の事態が相次いだ。職員の家族が保育園や勤務先で差別的言動に遭い「医療事故を起こした病院のように言われるのがつらかった」。最前線で感染者の治療に当たった職員には、最高10万円の手当を支給し激務をねぎらったという。

 山中師長は、別の疾患で救急搬送されてきた患者が入院から3日目の術前検査で感染していると分かり、その間に感染が広がったとみられると経緯を説明。「無症状の人が多く対応が遅れた。今は入院時や救急搬送時に患者全員に抗原検査を受けてもらっている」と報告した。 (下崎千加)

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