土作りが生むうま味 福岡・糸島の納豆

西日本新聞 夕刊 佐藤 弘

 当欄で紹介したい農産物や加工品は、たいてい周囲にお裾分けする。反応によっては掲載を見送ることもあるのだが、福岡県糸島市の直売所「伊都菜彩」で買った「百笑納豆」は兄がすぐ、「どこで売りようと?」。

 「何が良かった?」

 「粒が大きくて、ふんわり軟らか。何より豆自体に甘みがあるような。パックは大きめ(80グラム)やったけど、つるっと食べてしもうたよ」

 家族経営を基本に、同市二丈松末で米、麦、大豆など計73ヘクタールを栽培する農業法人「百笑屋」(松崎治久代表)が、自家製フクユタカでこしらえる納豆だ。取材時には「熟女枝豆」という、微妙なネーミングの枝豆も食べさせてもらったが、確かに豆のうま味が印象的だった。

 「わが子に食べさせたいものをお客さまに」を旗印に、自家製堆肥にこだわる。「豆の味は、父の治磨と兄の治久が長年こだわってきた土作りのたまものでしょう」と、2児の母で納豆製造担当の次女吉村美千香さん(30)。

 受験期には、祈願だるまをあしらった「必笑納豆」のパッケージも登場。「ねばってねばって粘り勝ち」と言葉が添えられている。いかなるときも時世を嘆かず常に前向きに生きる、この家族の姿勢のようでもある。

 (佐藤弘)

 ▼百笑屋の納豆 1パックを125円前後で福岡県糸島市内や福岡市西区の直売所で販売。あえて、たれは付けていない。うるち米、もち米、餅、きな粉などもネット販売。百笑屋=092(325)0544。

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