熊本県が球磨川流域「復旧・復興プラン」5年以内の再生目指す

西日本新聞 熊本版 古川 努

 7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川流域を巡り、県が24日発表した「復旧・復興プラン」は、来年の梅雨期に向けた「緊急治水対策」、おおむね5年以内に取り組む「短期的施策」、10年先を見据えた「中長期ビジョン」の三つに分類できる。県は来年3月末までに国、流域市町村などとつくる「流域治水協議会」で具体的な工程表を作り上げる。

 プランの基本理念は「命と環境の両立」。10月の「くまもと復旧・復興有識者会議」(座長・五百旗頭(いおきべ)真兵庫県立大理事長)の提言を踏まえた「緑の流域治水」の実現を目標とする。

 最優先の緊急治水対策は、流域で要望が多い河道掘削や堤防整備、堆積土砂の撤去などを速やかに進める。避難指示・勧告を確実に伝えるための発信力強化やハザードマップの作成を進め、「逃げ遅れゼロ」も目指す。

 短期的施策は、被災者の住まいや地域コミュニティーの再建がメイン。かさ上げによる宅地再生や高台移転の推進、災害公営住宅の整備などによって安全な暮らしを提供し、地域のなりわい再生も支援する。

 地域再生に必須のインフラ復旧も含め、国道219号の通行止め解消や鉄道や道路などの交通網復旧も「短期」の目標。観光地としての魅力回復も急ぎ、人吉温泉の復活、球磨川下り・ラフティング再開、青井阿蘇神社など文化財復旧についても、今後5年以内の完了・着手を目指す。

 中長期ビジョンでは、災害復旧と同時に地域の魅力を向上させる「創造的復興」を図る考え。情報通信技術(ICT)の医療、教育、農業などへの活用といった最先端技術を集積した「スマート・ビレッジ」の実現や、災害に強い地域拠点づくりも盛り込んだ。

 球磨川、川辺川は復興のシンボルとして、水遊びが楽しめるように整備。「緑の流域治水」をテーマとした最先端の治水研究を行い、若者が集まる知的拠点「球磨川流域大学(仮称)」構想も打ち出した。

 記者会見した蒲島郁夫知事は「命を守り、人吉球磨の自然、環境、清流を守る。それが資源となって持続可能な地域が実現する」と述べた。

 (古川努)

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