白バイに憧れ “栄冠” 小倉南署・元岡巡査長

西日本新聞 北九州版 姫野 一陽

 白バイ隊員が運転技術を競う県警の大会で、小倉南署交通課の元岡祐輔巡査長(31)が「業務歴2年未満の部」で総合優勝を果たした。元岡巡査長は、ある白バイ隊員との出会いがきっかけで警察官を志し、この春、念願の「白バイ乗り」となった。「事故をなくしたい」という一心で厳しいトレーニングを重ねたことが結果につながった。

 元岡巡査長は2016年、3年間勤めた民間企業を辞めて警察官になった。もともとバイクが好きで、休日にバイクを運転している時に、白バイ隊員から取り締まりを受けた。

 「死んで悲しむ遺族の顔を見たことがあるのか」

 真剣な表情の隊員から大声で怒られた。自らの運転に対する認識の甘さに気付くとともに、白バイ隊への憧れが芽生えた。

 交番勤務を経て昨年には小倉南署交通課に配属された。3月に白バイ隊に選ばれ、大会に向けたトレーニングが始まった。

 毎朝、「8の字走行」や「一本橋走行」「急制動」の訓練を繰り返す。署の白バイ隊を指導する橋田憲司係長(52)と練習に取り組んだ。高度な技術が求められる白バイの運転は、乗車姿勢やブレーキの掛け方などの微妙な違いがミスや事故につながることがある。

 大会前の10日間は2人で朝から晩まで二人三脚で特訓した。その都度気づいたことを橋田係長が指摘し、タイムや乗車姿勢なども細かく記録した。夜は無料通信アプリ「LINE」で反省点や課題、大会への心構えを伝え、心理面でもフォローした。

 橋田係長は交通機動隊や小倉北署などで白バイ隊に10年以上在籍し、白バイ隊員の精鋭「特練」にも選ばれたことがある。指導に熱が入るのは白バイ隊の先輩が現場に急行中、事故で亡くなった記憶があるからだ。「いつも平常心で現場へ向かえるように」と繰り返す。

 今月7日に飯塚市で開かれた大会で、元岡巡査長は障害物を避けて走る「傾斜走行」と「バランス走行」に臨み、ミスなく乗り切り、総合優勝を果たした。表彰式後、橋田係長は元岡巡査長からメダルを首に掛けられ、涙をこらえた。

 この部門では昨年も橋田係長が指導した同署の若手が優勝し、2連覇となった。橋田係長は「取り締まりには高い技術が必要なので、訓練の成果を現場で生かしてほしい。来年も優勝できるよう隊員と日々訓練に取り組みたい」と語った。 (姫野一陽)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ