懸命に生きるフィリピンの友人

西日本新聞 社会面 庭木 香充

 フィリピンに15年来の友人がいる。マニラ首都圏で運転手をするロナルドさん(50)。取材で知り合った。貧困や自然災害、犯罪といった課題と向き合う国で彼もまた、いろんな苦難に遭遇している。

 直近では、多数の死者が出た11月中旬の台風22号。首都圏に最悪規模の洪水被害をもたらした。彼の自宅も水没し、家族6人は避難。コロナ禍で感染を恐れ、避難所ではなく高台に逃げた。被災した自宅を前に「何てこった」。自宅再建のめどは立たない。

 過去には強盗被害にも遭った。深夜、仕事から帰宅途中にナイフを持った2人組に襲われた。家族に届ける売り上げを守ろうと抵抗したら、背中や脇腹などを何カ所も刺された。「自分の身が切られる音が聞こえた。最悪だったよ」。生死の境をさまよった。

 収入は不安定で「その日暮らし」。それでもたくましく、懸命に生きる彼の姿に、前を向くことの大切さを教えられている。 (庭木香充)

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