長野雅サプライズ復帰、1期生号泣…HKT9周年公演、史上最多45曲熱唱

西日本新聞 古川 泰裕

 HKT48の9周年を祝う記念特別公演が26日、福岡市中央区地行浜の「西日本シティ銀行 HKT48劇場」で開催された。2015年の4周年以来となる専用劇場での「誕生日」では、グループ史上最多の45曲を披露。4月から休養していた5期生の長野雅も前座として復帰し、活動中の49人が勢ぞろいで節目の10年目へと突入した。

 いきなりサプライズからの幕開けだった。照明が照らし出したのは、春先にファンの前から姿を消した長野雅。声を出せない客席から驚きと歓迎の拍手が送られる中、「ロマンスかくれんぼ」をしっとりと歌い上げた。

 ファンの心の琴線を震わせる仕掛けは幕開けから止まらない。うれしい驚きに満ちた真新しい劇場に、聞き慣れたエレキギターのイントロが響く。チームHの「RESET」だ。春には確かに目にできていたはずの衣装、豊永阿紀と渡部愛加里のダブルセンター、高々と天をつく上野遥のキック。続くKⅣも見慣れた衣装で「制服の芽」を披露する。地頭江音々がセンターで躍動し、負傷から復帰した森保まどかも元気な姿を見せた。

「制服の芽」を歌う地頭江音々

 チームTⅡは「手をつなぎながら」公演から「僕らの風」を歌い踊る。「今、僕らは風になる。思うままに、どこへも行ける」。劇場に、そして地行浜に戻ってきた赤とオレンジのチェックのスカートを翻しながら、松岡はなが何度もジャンプした。序盤にはさらに、「既読スルー」や「夢見るチームKⅣ」といったチームのオリジナル曲も久々に披露。これまでのHKTの歩みを、確かに感じさせる内容であることを感じさせた。

 ほとんどMCを挟まずに曲は続く。田中美久は矢吹奈子の「いじわるチュー」をソロで歌い「待ってるよ」と韓国で活躍する盟友に呼びかける。

 荒巻美咲と運上弘菜の2人も「fairy w!nk」として久しぶりに「天使はどこにいる?」を歌唱。オリジナルの衣装を身にまとい「笑わないアイドル」としてクールなパフォーマンスを見せた。

fairy w!nkの荒巻美咲(左)と運上弘菜

 中盤には歌自慢たちが見せ場をつくる。「AKB48グループの歌唱力No.1決定戦」決勝大会に参加する秋吉優花、坂本愛玲菜、豊永阿紀がそろい踏み。アカペラから始まるアレンジの「青春の出口」で見事な三重唱を響かせた。

 24曲目には今年のAKB48グループリクエストアワーで1位に輝いた田中美久センターの「ロマンティック病」も。田中美久と矢吹のデュエット曲「生意気リップス」は松岡菜摘と森保まどかの「なつまど」コンビが披露し、ファンの大きな拍手を浴びた。

 最新シングル「3-2」センターの運上弘菜が宮脇咲良のソロ曲「彼女」を歌唱するなど「象徴の後継」もにじませながら公演は進む。

 2019年リリースの12thシングル収録曲「大人列車はどこを走っているのか?」に続いて、間髪入れずに本家本元の「大人列車」。ファンに「国歌」と呼ばれることもある代表曲の価値をより一層鮮やかに際立たせる。

「キスの花びら」を披露するchou

 2人のキャプテンが率いる二大ユニットも登場、ダンスユニット「Lit charm(リットチャーム)」とモデル系ユニット「Chou(シュー)」がそれぞれのオリジナル曲「How about you?」「キスの花びら」を初披露した。

 本編のラストを飾るのは期ごとのパフォーマンス。若々しい5期生は「黄金センター」、ドラフト2期と3期は「快速と動体視力」をはつらつと歌い、4期生は「Generation Change」で迫力たっぷりに「世代交代させろ」と歌う。3期生は「初恋至上主義」とかわいらしくパフォーマンスすると、2期生はロック調の「Confession」でクールに決めて見せた。

 残すは1期生。松岡菜摘を先頭に「少女たちよ」を、一人ずつかみしめるようにフレーズを歌い継いでいく。円陣を組む場面を前に、お祭り番長・村重杏奈の涙腺は完全に崩壊していた。「(人数が)少なくなっちゃったけど…」を巣立っていった仲間を思いながら声を震わせると、涙は他の6人にも伝染。目を潤ませながら「頑張って! 頑張って!」と歌う詞は、これまでの自分たちと、これからの未来を歩む後輩たちへ向けたエールのように聞こえた。

「少女たちよ」を歌ったHKT48の1期生7人

10周年へ号砲、「たくさんいい報告をできる一年に」

 アンコールは2度目となる劇場での「3-2」からスタート。運上を中心に美しいフォーメーションダンスでファンを魅了すると、「劇場の女神」が立ち位置ゼロ番へ歩を進めた。

 新型コロナウイルスで劇場公演が止まった2月、レッスン場で公演を開催した上野遥。失意のファンを喜ばせた「誰かのために」という思いは、即席で手作りの配信公演のサブタイトルにもなった。「Chain of love」。無償の愛の連鎖を歌うこの曲の精神は、HKTに深く根付いている。

「Chain of love」を披露した上野遥

 Tシャツ姿で最後のMCに臨む49人。松岡菜摘に呼び込まれ、長野雅が再び姿を見せた。「HKTに入ることができて、本当に良かったと思いました」。おそらくは勇気を振り絞ってステージに戻ってきた後輩のけなげな思いに、先輩たちは再び目を潤ませた。

 「この1年は戸惑うというか、他のお仕事をされている方も同じだと思うんですけど…」と切り出した松岡菜摘。新たな運営会社での再出発、新型コロナ禍、仲間たちの卒業。大黒柱の指原莉乃卒業後、訪れた変化は目に見えるものばかりではなかっただろう。「シングルが1枚しか出せていなかったり、歌番組にも出られていない。さっしーが卒業して、みんなで頑張っていこうと思っていた直後だったので、自分たちの実力不足というか…。仕方ない状況でもあるけど、もっともっとできることがあったんじゃないかなって思う」。リーダーの一人が選びながら絞り出した言葉に、じくじたる思いが垣間見えた。

 「HKT48は笑顔と愛にあふれていて、とってもすてきなグループ。もっともっといろんな方に見てほしいメンバーがたくさんいる」と前を向いた松岡。「10周年の一年はたくさんいい報告をできる一年にしたいという目標を、今ここで勝手に決めました」といたずらっぽく笑うと、田島芽瑠が「みんなで頑張りましょう」と応じ、メンバーも「頑張ろう!」と声をそろえた。

ラストナンバー「HKT48」

 「笑顔いっぱいの1年にして10周年を迎えられたら」。最後は笑顔で前を向いた松岡の曲紹介で、ラストナンバー「HKT48」が始まる。「ここの場所で夢を追いかけるけん。応援しちゃってん」。拳を突き上げ、跳びはねながら、アニバーサリーイヤーの号砲を鳴らした。 (古川泰裕)

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