タイ「不敬罪」復活へ 反体制派学生ら摘発の動き

西日本新聞 国際面 川合 秀紀

 【バンコク川合秀紀】タイ当局が、王室批判を禁じる刑法の不敬罪に当たる疑いで反体制派の学生ら十数人の一斉摘発に動きだした。同罪の摘発はワチラロンコン国王の「指導」で2018年半ばから停止されているが、王室改革を求める反体制デモが激化しているため約2年ぶりに復活させる方針に転じたもようだ。

 プラユット首相は19日の声明で「デモ隊の違法行為に全ての関連法を執行する」と表明。弁護士団体などによると警察はその後、学生リーダーのパリット氏ら計12人に、不敬罪を定めた刑法112条違反などの疑いで出頭を命じる召喚状を送付した。

 パリット氏は24日、会員制交流サイト(SNS)に「怖くない。誰も私たちをコントロールできない」と投稿し、逮捕も恐れない考えを強調した。反体制派は一連のデモで不敬罪の廃止も求めている。

 タイの刑法は国王や王妃らを中傷、侮辱してはならないと明記。外国人も対象となり、1件当たり最長15年の禁錮刑を科す。表現の自由を侵害しているとして国連などが批判していた。

 人権派団体によると、14年の軍事クーデター以降、同罪による逮捕・起訴は毎年20~30人に増えたが、国王が摘発しないよう政権当局に「指導」したとみられる18年は9月の1件だけに激減。19年以降はゼロが続いていた。

 当局は一連のデモで学生らを相次ぎ逮捕したが、不敬罪ではなく扇動罪など他の法律を適用している。

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