福岡「第3波」大丈夫? 検査拡充で拡大抑制 「いつ来ても」警戒

西日本新聞 一面 華山 哲幸 横田 理美 泉 修平 斉藤 幸奈

 大都市を中心に全国で新型コロナウイルス感染の「第3波」が押し寄せる中、福岡県でも感染者がじわりと増え始めている。26日の新規感染者は53人で、約3カ月ぶりに50人を超えた。ただ、連日のように過去最多を更新している東京や大阪などと比べると拡大のペースは抑制気味。県や専門家もその明確な理由は分かっておらず、「いつ次の波が来てもおかしくない」と警戒している。

 「今後、福岡でも感染が拡大する危険性があり得る」。福岡県がん感染症疾病対策課の佐野正課長は26日の記者会見で、第3波への危機感を口にした。

 県内では、第2波とされる7~8月に感染者が急増。7月31日には過去最多の169人に上った。その波が落ち着いた9月中旬以降は、10人前後で推移。全国的に感染が再拡大した11月に入って増加傾向が強まっている。

 ただ、26日に判明した53人も1日の感染者としてはピーク時の3割程度。全国と比較すると秋以降は抑え込めている。小川洋知事は24日の記者会見で理由を問われ、「取り組んだ対策は説明できるが、よく分からない」と首をかしげた。

   □    □

 このまま感染者を抑制することができるのか-。小川知事や県内感染者の約6割を占める福岡市の高島宗一郎市長が対策の切り札として期待するのが、検査拡充による早期発見だ。

 県内では、医療機関で受けられるPCR検査や抗原検査の導入を促進。PCR検査可能件数は1日最大約4200件(11月10日時点)で、8月から2倍近くに増えている。

 福岡市は、人口10万人当たりの累計検査数(10月20日時点)を独自に調査。政令市では同市が全国最多(4064件)で、2位は北九州市(3945件)。第3波が猛威を振るう大阪市(2365件)や札幌市(2095件)を大きく引き離しているという。

 福岡市は、検査対象者を国が示す「濃厚接触者」より拡大。職場や施設内で感染が疑われる場合、同じフロアなどにまで広げて検査をしている。市幹部は「無症状者を含めた早期発見が重要だ」と強調する。

   □    □

 宿泊療養施設の利用徹底による陽性者の隔離強化も鍵を握りそうだ。

 県は、入院が必要ない軽症や無症状者に対し、県内4カ所にある宿泊療養施設の積極活用を呼び掛けている。8月中旬には利用の手順を簡素化して陽性確認の翌日には入所できるようにした。

 県内の累計感染者約5600人のうち、約4割の2千人超が宿泊療養施設を利用。東京都では利用率が3割を下回っており、県幹部は「一定の成果が出ているのではないか」とみる。

 これまでの抑制傾向について気候や地理的な要因を指摘する声もあるが、明確な理由は不明だ。県幹部は「県民や事業者にはより注意してもらい、できるだけ増加を抑え込めれば」と話す。

 (華山哲幸、横田理美、泉修平)

「油断せず予防を」

 九州大の柳雄介教授(ウイルス学)は、福岡県内の感染者数が比較的抑えられていることについて「福岡県民だけが特に予防策の実施を徹底しているというわけでもないと思うので、運が良かったのだろう」と指摘。「福岡に他の地域からやって来る人の中にたまたま感染者が少なかったなど偶然が重なった結果では」と話す。

 流行の波は全国一律ではなく地域差があるのは当然だとした上で、「福岡もいつ増えてもおかしくない。感染者が多い地域への移動は慎重になるなど、油断することなく感染予防を続けてほしい」と呼び掛けた。

 (斉藤幸奈)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ