ホークス4連覇 地域と共に次なる高みへ

西日本新聞 オピニオン面

 多くのプロ野球ファンに将来「伝説」として語り継がれるであろう強さではなかったか。

 福岡ソフトバンクホークス日本シリーズでセ・リーグ覇者の巨人を4連勝で退け、パ・リーグ球団として初の4連覇を飾った。

 スタジアムに収容可能な半分の観客の前で、胴上げではなく万歳三唱で勝利を祝う。マスク姿の選手もいる。新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄(ほんろう)された今年らしい光景だった。

 コロナ禍の中で、シーズン開幕からこの時季まで、野球を楽しみ、勝利まで味わえる。ホークスファンにとっては、日々の暮らしに元気と話題を与えてくれる贈り物となった。

 九州の地域経済への貢献も小さくなかろう。福岡、九州の地元球団として誇りであり、共に喜びを分かち合いたい。

 何といっても、記録ずくめの完勝だった。史上初の2年連続4連勝、2018年日本シリーズ第3戦からの12連勝、クライマックスシリーズ(CS)を含むポストシーズンは19年から16連勝である。

 黄金時代の到来を感じさせてくれる今回の日本一は、戦後のプロ野球隆盛の象徴である「巨人の9連覇」にホークスが挑戦する出発点ともなる。

 球界の中心が東京から福岡へ移るのか。野球ファンならずとも関心のあるところだろう。地元としては早くも来季への期待が高まるばかりだ。

 ホークスの驚くべき短期決戦の強さは、試合ごとにヒーローが入れ替わる分厚い選手層にあることは疑いがない。特に素質ある若手を発掘し、能力を伸ばす育成力は抜きんでていると言っていいだろう。

 両リーグの他球団もホークスの手法を参考に新たな組織戦略を練るはずだ。それはスポーツとしての野球の裾野を広げることにもなるのではないか。

 加えて、ホークスのファンを大切にする地域密着の球団運営も見逃せない。もはやプロスポーツの世界の基本ともなっているが、常に新たなサービスを次々に打ち出すのは容易なことではない。今後も球界の手本となるべく努力してほしい。

 球史に残る日本シリーズを目にして、感動する喜び、野球やスポーツのある幸せを改めて実感した人も少なくなかろう。

 工藤公康監督は優勝インタビューで「多くの人の支援がなければ開幕することすらできなかった」と感謝を述べた。私たちがゲームを楽しめたのも、医療従事者をはじめ感染防止対策に努力する多くの関係者が役割を果たしてきた結果である。

 そうした事実もホークスVと一緒に心にとどめたい。

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