卒業記念で手作り久留米絣 田主丸・竹野小 デザインから機織りまで

西日本新聞 筑後版 渋田 祐一

 福岡県久留米市田主丸町の竹野小の6年生27人が、卒業記念で制作に挑戦していた久留米絣(かすり)の額布が27日、完成した。デザインから藍染め、機織りまで約1カ月半かけて自らの手で作り上げた。児童たちは、世界でただ一つの作品を誇らしげな表情で手にした。

 田主丸町は、江戸から昭和初期にかけて藍の栽培地だった。校区内に工房がある久留米絣作家の松枝哲哉さん=今年7月、64歳で死去=らが毎年、地域の伝統産業に親しんでほしいと、卒業記念作りを指導していた。13回目の今年は、妻の小夜子さん(64)と長男崇弘さん(25)が遺志を継ぎ、指導に当たった。

 児童らは10月10日の図案作りから、糸の柄になる部分をくくって防染する「括(くく)り」、藍染めなど五つの行程を体験。26、27日に織機を使った機織りで、縦約20センチ、横約40センチの額布を完成させた。額布には「友」の字の横に翼をデザインした。「友と仲良く飛び立とう」との意味を込めたという。担任の中山礼佳(あやか)教諭(32)は「クラスの仲がとても良かったことが表れている図柄」と話す。

 この日、児童は体育館に置かれた10台の織機に向かうと、私語もせず、額布作りに没頭。機織りのバタン、バタンという音が館内に響き、真剣な表情で両手、両足を使って仕上げていった。糸が切れるなどのトラブルが起こると、小夜子さんら4人の指導者が手伝った。国武俊希さん(12)は「機織りしていくにつれて絵柄が出てくると、うれしくなった。額布はずっと自分の部屋に飾っておく」と、出来上がりに満足顔だった。

 小夜子さんは「なるべく手助けしないようにした。長時間かけて作品を完成させたことは自信になるだろう」と、次々と完成する作品に目を細めていた。 (渋田祐一)

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