同期は40歳のカバ 動物たちの「結婚仲人」長崎バイオパーク副園長

西日本新聞 長崎・佐世保版 坪井 映里香

 今月、開園40周年を迎えた長崎県西海市の民間動植物園「長崎バイオパーク」の副園長、伊藤雅男さん(59)。今年で入社37年目。「同期は40歳になるオスのカバ、ドン。われわれが最古参です」と笑う。

 東京都荒川区出身。幼い頃から昆虫や動物が好きで、高校時代は上野動物園で「動物ボランティア」をしていた。飼育員に代わり動物の生態や生活を説明し、子どもにお礼を言われることがうれしかった。

 高校卒業後、東京農業大の教授で、全国の動物園の監修をしていた近藤典生さん(故人)に“弟子入り”。「動物のことを知りたければ24時間、動物の面倒を見ろ」と言われ、同大の進化生物学研究所に3年間住み込み、サルやカピバラを世話した。

 「動物の自然な姿を見せたい」という恩師の思いが実現したのがバイオパークだ。おりはなく、動物の生息地域に合わせた植物を植え、見学者は柵の中に入ることができる。

 近藤さんからの依頼で園に入社し、大型動物の担当に。1994年「泳げないカバ」として有名な「モモ」が生まれ、日本初の人工飼育を経験した。前例がないカバへの哺乳や泳ぎの練習などを振り返り「生物の力強さを感じた」。モモは現在、26歳で5児の母親だ。

 飼育係から離れた今は、動物の「結婚仲人」を自称する。各地の動物園と個体ごとに契約を結び、動物の貸し借りをする。目的は繁殖。血統や個体数を吟味し、最適な時期に動物の結婚相手を探す。別の園からの依頼も多い。「動物園の使命は種を絶やさないこと。かわいがっている動物を預けるとき、ここなら大丈夫と思ってもらいたい」

 40周年イベントの企画や年を取ったドンのため「カバの温泉」を新築するなど忙しい日々を送る。来年で定年だが、その後も数年は嘱託職員として園に残る予定だ。

 「私がいる間、ドンはもちろんみんなに元気でいてほしい」。動物と関わり続けたいと願う。 (坪井映里香)

私の好きな休日の過ごし方

 長距離を移動するチョウ、アサギマダラを捕まえ名前や場所をマーキングする調査をしています。妻と一緒に虫捕り網とペンを持って長崎市などに行きます。今年は2650匹にマークしました。少ない方です。本州や台湾の人がマークしたチョウを見つけ、移動ルートが分かる瞬間は大興奮です。

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